しまねで暮らし、しまねで輝く  ネクストジェネレーション
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櫻尾尚平さん(31歳)圭司さん(26歳)邑南町で育まれた150年の長き歴史 いま、若き兄弟の力を合わせて 飲むほどに故郷を感じさせる酒造りを




玉櫻酒造では、平成7年に地元契約農家と酒米委員会を結成し、その契約農家で特別に栽培した酒米を使用している。


母も太鼓判を押す、仲の良さが玉櫻酒造の強み。「剛」の尚平さんに、「柔」の圭司さんといったキャラクターの違いも良好なコンビネーションを生み出す。




邑南町(旧瑞穂町)という絶好のロケーションにある『玉櫻酒造』。なだらかな山々に囲まれた素晴らしい環境が、玉櫻の酒に深い奥行きを加える。



玉櫻を冠する各種商品。それぞれに具体的な味の特徴を凝らしているが、基本的には端正な深い味わいを持つのが尚平さんのこだわり。














すべてを邑南町から発信する酒造り 兄弟ならではのチームワークで挑む
 150年という長い歴史をもつ、邑南町の『玉櫻酒造』。その5代目となる、櫻尾尚平さんと、弟の圭司さん。若い兄弟が手がける、熱のこもった酒造りが、地域で話題を呼んでいる。
 大学では生物科学専攻と、家業の酒造りとは別の進路を歩んでいた尚平さん。大学の恩師や居酒屋でのアルバイトの影響で、日本酒への興味が湧き、大学卒業後に酒造りの世界に入った。
 戦後すぐには、但馬杜氏(兵庫県但馬地方の酒造り職人集団)を招いて酒造りをおこなっていた玉櫻酒造。その但馬杜氏のひとり、中西氏から6年間指導をうけた尚平さんが現在は杜氏として、玉櫻酒造を支えている。
 「米や水、こうじの出来具合、気候など、さまざまな自然条件を相手にする酒造りは奥深く難しい。僕は杜氏といっても、この場所・この環境だから造れるというだけ。まだまだ学ぶことは沢山あります」と話す。
 しかし、酒造りには明確な考えがある。「風土に合った酒を造りたいんです。飲んだら邑南町をイメージできるような酒です。地味だけどしっかりした旨味があって、食事を引き立てるような味でしょうか」と尚平さん。
 大学卒業後、自らも酒造りの世界に飛び込んだ圭司さんは、「地元が好きで帰るつもりでしたが、酒造りに打ち込む兄の姿に魅力を感じたことも大きいです。兄には、『どこかで修行してから戻ってこい』と言われましたが、言うこと聞かず、そのまま戻ってきて勝手に手伝い始めました」と屈託なく笑う。
 玉櫻酒造の蔵に櫻尾兄弟が揃ったことで、さらに力を入れているのが『生もと造り』の酒。
 「仕込は原始的で、複雑かつ繊細な工程が必要なため、大きな労力を伴いますが、細かい部分まで気持ちの通じ合える圭司が加わったことで、本格的に取り組めるようになりました。お陰で生もと造りの酒もようやく手応えを感じてきているところです。」と嬉しそうに語る尚平さん。
 「酒造りはもちろん楽しいですが、圭司が伸びていく姿を見るのも楽しい」と尚平さんが期待を寄せると、圭司さんは「酒が育っていく過程と、それを飲んだときの喜びがこの仕事の大きなやり甲斐」と酒造りへの意欲でもって答える。
 今後は、「いろいろな方の意見をうかがい、今の目標をより具体的にしていきたい。酒販店や居酒屋さんなどと、みんなで造っているという意識は常に持っていますが、その仲間を増やしていきたいんですよ」と尚平さん。
 150年の歴史を受け継ぎ、発展させていく若い力。櫻尾兄弟率いる玉櫻酒造のこれからが楽しみだ。

地域のこれからを強く意識 愛する故郷の元気をふたたび
 酒造りという大きなやり甲斐と同時に、それを育む故郷・邑南町への愛着も人一倍の櫻尾兄弟。地域の人々に育てられてきたという思いも強い。
 「ただ美味い酒を造るのではなく、お世話になった人々に向かって造る酒ということを意識しています。だからこそ気合いを入れなくては!」と思いも新たにする。
 蔵(玉櫻酒造)を元気にすること。そのことで邑南町の活性化につなげたいと、二人は静かに燃えている。

●櫻尾兄弟 Profile
邑智郡邑南町生まれ。兄弟ともに広島の大学に進学。尚平さんは大学卒業後、酒造りの専門知識を学ぶべく、同じ広島県にある『独立行政法人 酒類総合研究所』を経て帰郷。川本町には父親が経営する酒販店もある。圭司さんは父親も手伝いながら、尚平さんをサポートする日々。
櫻尾兄弟 
櫻尾兄弟の暮らす街 邑南町
邑南町は島根県のほぼ中央部にあり、人口約12,000人で総面積の8割を森林が占める小さな田舎町です。豊かな自然条件に恵まれ、東に江の川が流れ、県立自然公園に指定されている断魚渓、千丈渓などの景勝地があり、自然環境の良さを象徴する国の特別天然記念物オオサンショウウオが多く生息しています。「田舎」が有する豊かな自然資源や、それらに育まれた恵み豊かな食文化、固有の伝統文化を大切にし、町全体が一体となるよう「和」のまちづくりを目指しています。
 
【ハンザケ】
ハンザケ
正式名称はオオサンショウウオ。日本固有の動物で、世界最大級の両生類。国の特別天然記念物に指定され、清らかな水域に生息する。邑南町は生息密度日本一を誇る。
 
【日本一の子育て村を目指して】
日本一の子育て村を目指して
邑南町では、経済的負担を和らげ、生活環境を整備して、一つの家族が安心して子育てできるよう、医療・保健・福祉・教育・生活・環境など、様々な面から支援をおこなっています。『2子目以降保育料全額無料』、『中学卒業まで医療費無料』など、地域で子育てをバックアップします。
 
 
 
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