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木下祐貴さん(28歳)自分にとっての「音楽」をやるため帰郷 ミュージックバーで町を盛り上げつつ 新世代に向けた町づくりを模索する毎日




東京では音楽活動をしながら飲食店で働いていた経歴もあって、シェイカー扱いも堂に入っている。飄々としたなかにも熱い思いを秘めた魅力的な人柄の木下さん。カウンターには彼を慕って夜ごと人が集まってくる。


入口横にはドラムセットを常設したミニステージもあるブルーリバー。カラオケもあるのが川本町ならでは。




今年8月、野外音楽堂スペランツァで行われた『しまねバンドエイド2011in川本町』での木下さん。



川本町地域おこし協力隊の武藤さん(中)や、定住コーディネーターの東海林さん(右)も木下さんの人間力に惹かれた仲間たちだ。














東京じゃなくても音楽はできる!そんな思いからミュージックバー始動
  邑智郡川本町でミュージックバー『ブルーリバー』の店長を務める、木下祐貴さん。音楽の盛んなこの町で、中学生の時からバンド活動を開始、川本高校(現・島根中央高校)卒業後に上京し、プロミュージシャンとして活躍していた経歴もある28歳。そんな木下さんが、この店を引き受けて再開させたのが昨年11月。今や町内の老若男女が足繁く通う人気スポットになった。
 木下さんが東京での音楽活動を終えてUターンしたのが26歳の時。「高校時代の音楽仲間とプロを目指して東京に行きましたが、そのうち全員別々の活動を始めたんです。僕は22歳の時に在籍していたバンドでプロデビューしたんですが、その頃からだんだん上手くいかず帰郷へと気持ちが傾いていったんです」。
 プロになるという目的を達成し、やがて至ったのが、「東京じゃなくても音楽はできる」という達観した思い。
「自分の音楽を追求した末に精神的に行き詰まったんです。『こんな窮屈な思いをするなら、好きな川本町に戻って音楽をやればいいじゃないか!』って」。
 川本町は、町ぐるみで音楽活動を応援してくれる気風のある最高の場所だという木下さん。音楽をもっと楽しみたいという前向きな気持ちでUターンを決意。
 帰郷後は、家業の金物屋の仕事をしながら、県内や広島のライブハウスで月3回弾き語りライブを行うなど、マイペースな音楽活動を開始。そんなスローなUターン生活が1年も経った頃、ブルーリバーの話が持ち上がる。
 「かつての僕たちが町に支えられたように、自由に音楽を楽しめる空間を提供したくなったんです。そして、それが町の勢いになる気がして。『川本にはこんな元気な店があるぞ!』って発信していきたいんです」。

店を成長させることで 若い世代への可能性に繋げる
 バンドを呼んだり、自ら弾き語りをしたり、木下さんを慕って川本にやってきた東京の音楽仲間・大槻誠さんを交えた即興演奏をやったりと、「自由な音楽空間にする」という言葉どおり、多くの人で賑わうブルーリバー。
 「年配者はカラオケも楽しみたいようなので、そのへんは臨機応変にやってますよ」と苦笑い。こうしてお店を盛り上げながらも、「『音楽の町・川本町』ならではの働き口のひとつになるよう、いずれは若い人たちの職場としてもブルーリバーを成長させたい。またそれとは別に、自分たちを含めた、これからの世代の人間がこの町で生きていくためにはどうしたらいいのか?ということは常に考えているんですよ」と思いを語る。

住環境として百点満点の川本町 だからこそ農業の活性化に尽力したい
 Uターン暮らしを「帰郷した当初はご飯は美味しいし、山も海もきれいだし『これこれ!この感じ!』って思いました」と笑う木下さんだが、落ち着くにつれ、心配事も芽生えてきた。 
「農業をやる人間が年々減っていて、荒れた田畑が目立って、その変わりゆく風景が悲しくて。だから僕なりに何とか協力したいと思って」と農業にも目を向ける。自分が知らないと意見も言えないと農業大学校にも通うほどで、「川本町で出来る何か新しい仕組みを作りたい」と言葉に熱がこもる。
 音楽に加え、農業の活性化にかける思いが木下さんの原動力になっているようだ。
●木下さんProfile
邑智郡川本町出身。中学の頃から始めたバンド活動でプロを目指すようになり、高校卒業後に東京へ。22歳のときに所属していたバンドでCDデビューするが、東京での音楽活動に見切りをつけ、26歳で帰郷する。現在はミュージックバー経営と並行して、家業の金物店の仕事や県内外でのソロ音楽活動も続けている。東京からやってきた大槻さんをはじめ、木下さんの帰郷を聞きつけて同級生数人がUターンするなど、同世代のキーパーソンでもあり、その人間的な魅力と行動力に周囲も期待を寄せる。
 

木下さんの暮らす街-川本町-
川本町(かわもとまち)は、島根県のほぼ中央に位置する人口約四千人の小さな町で、町域を流れる江の川の水運により古くから栄えた町でもあります。また、島根県の中で唯一「町」を「まち」と読みます。豊かな自然、文化、伝統、人材等の様々な既存資源を活用し、健康で活力あるまちづくりを目指すと共に、人口の減少を食い止めるため定住対策にも力を入れています。
 
【エゴマ】
栄養価値が非常に高く「陸の青魚」と言われているエゴマが特産品です。生産が盛んで、道の駅等で様々な加工品が販売されています。
 
【音楽の町】
『かわもと音戯館』や『悠邑ふるさと会館』など、音楽を楽しむための施設が充実しています。

 
 
 
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