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河野冨士夫さん(76歳)・正子さん(65歳)
気ままに暮らすはずだったUターン生活も 地域の声で思いがけず忙しい日々 それでも楽しいスローライフな飲食店
 吉賀町を走る県道42号線沿い、田んぼの中にぽつんと立つ木製看板が目印の食事処『やまね』。地元食材で彩られたボリューム満点の会席料理を目当てに、毎日たくさんの人が集まる人気店。店を切り盛りするのは、河野冨士夫・正子夫妻。吉賀町で生まれ育った冨士夫さんが、3年前に正子さんとともに帰郷し、築120年になる生家をそのまま利用して始めたお店だ。
 山口県岩国市で長らく飲食業を営んできた夫妻。「戻ったらのんびり暮らすつもりだったのに、それどころではなくなった」と苦笑いの冨士夫さん。岩国で飲食店をしていたことから、近所の人に料理を頼まれるようになり開店することになった。「この地域の良さは親しみやすい人間性」という冨士夫さんの言葉通り、笑い声が絶えない場所として地域に親しまれている。
 若い頃は建材関連の仕事に就き、転勤先の山口県岩国市で転職し、仕出し弁当と小料理の店を始めた夫妻。その後、腕前を見込まれて全国展開するレストランの岩国店を任され、すべて手作りメニューという独自の方針を貫き人気を博す。定年後から帰郷するまでは、岩国駅前で居酒屋を経営。苦労は多いながらも、楽しい岩国生活だったと笑いながら振り返る。
 帰郷を決めたのは、冨士夫さんの母親の逝去から3年間空き家状態になっていた生家を甦らせるためだったが、梁や柱などは頑丈そのもので、床を修繕した以外は、そのままお店として利用できた。
 予約のみという方針も、「もう老後だから無理はしない。それを周りが解ってくれているからできている」と冨士夫さん。
 昨年からは、岩国で月一回の惣菜屋をスタート。「吉賀の食材を使った惣菜店なんですが、あまりにも好評で試食品まで売ってくれと言われる始末なんですよ」と笑う正子さん。
 思いがけず忙しくなった日々を笑顔で過ごせるのも、島根の暮らしを地域の人々が支えてくれるからだと、最後に語ってくれた。

県道沿いに立つ看板の奥が夫妻の住まい兼お店。『やまね』とは屋号だそう。


離れを正子さんの母(メイン写真・中)の部屋に改装中。完成後は一緒に暮らす予定。


室内はそのままお店として使っている。愛犬ヒナちゃんの接客も人気。


裏庭でおこなった1周年のガーデンパーティには50名もの人々が集まった。
 
 
 
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