しまねで暮らし、しまねで輝く  ネクストジェネレーション
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鐘推達也さん(29歳) 自然な流れに身を任せてUターン 無理をせず、それでも一生懸命に 地域を盛り上げる『くるみ市』




木造が目にも優しい『くるみ市』の内観。現在は100人以上の生産者と契約。それでも「まだまだです。生産者との連携は多ければ多いほどいい」と鐘推さん。



店の横にはギャラリースペースを設け、地域で活動する陶芸家や小物作家などの作品展示販売もしている。



皮が薄くて輸送向きでないトマトのように、希少でおいしい野菜が買えるのが直売所の魅力。



友人にも農業に親しんでもらいたいと作った家庭菜園。手前にはテント市を予定する芝生スペースが広がる。



『くるみ市』の店頭では、花農家でもある実家で栽培した生花の販売も行っている。




地域のニーズに答えながら成長する 手作り感覚が魅力の『くるみ市』
 古い町並みと農作地帯の混在する、昔ながらの出雲の面影を残す大津町の下来原に、昨年11月オープンしたばかりの『くるみ市』。契約農家からの野菜を中心に、味噌や醤油などの加工食品まで、地元産の食材を幅広く扱う直売所だ。その『くるみ市』の経営者である鐘推達也さんがUターンしたのは今から3年前。
  「岡山の大学を卒業後、そのまま県外で働いていましたが、それも、学生時代から打ち込んでいた陸上競技を続けるためだったんです。社会人になって、選手としての限界も感じていたし、長男でもあるし。そんな条件がいろいろ重なって、出雲に帰ってきたんです」と笑う。
 優しげな容貌と、人当りが良く、飄々とした雰囲気の鐘推さん。そんな自然体の彼が『くるみ市』を立ちあげたのは、家業の花屋の移転がきっかけ。「花農家と花屋が家業なんですが、当時花屋の場所が不便だったことや、地域に食料品店がないことで、お年寄りが困っていたんです。そこで、ハウスがある土地の一部を利用して、花屋と産直市を併設し、今のスタイルになりました」とこれまた自然体。
 家業の手伝いをしたことはあっても、経営など未経験。それでもオープン時には60人もの生産者と契約を交わした。また、店舗の図面から骨組みの建設、さらに駐車場の舗装まで手がけるなど、目の回るような忙しさの中で開店を迎えた。
 「まだまだやることはいっぱいありますが、良い物を揃えることで信頼と評判を広めていきたい」と力強い。
 目の前の状況や出来事を素直に受け止め、ひとつひとつ丁寧に淡々とこなしていく。
 鐘推さんの『くるみ市』はまだ発進したばかりだ。

仕事の中で見出す島根との関わり 様々な企画でさらに深めていく
 野菜や花、和菓子、陶器など、様々な商品に加え、地元創作家のためのギャラリースペースも設置し、地域のアンテナショップ的役割を果たしている『くるみ市』。地域性を考慮してPRは口コミを重視し、新規のお客様の開拓にも力を入れている。「田舎気質の出雲で信頼を得るためには口コミが良いんです。それに、天候に左右される農作物を扱う以上、商売を大きくし過ぎて生産者に負担をかけたくない」と言う。
  こうした方針も、自身が出雲人だからかと思えば、「実はまったく意識してないんですよ。ただ単に、雨でも楽しい店づくりにしていきたいんです」と笑う。
 現在、店横に芝生スペースを作っている最中の鐘推さん。いずれはテント市などのイベントも企画したいと目を輝かす。

経営者として多忙な毎日 それでも楽しくマイペースで!
 お店のことではシビアに考えつつも、自分のこととなると金銭的にも生活的にも無頓着で、「お金を使うこともないし、行くところも少ないですね」と苦笑い。
 出雲に戻ってからは、休む暇もなく働いている状態が続いているが、「そのへんは経営者なので、完全に割り切ってます」とストイックだ。
 そんな多忙な暮らしのなか、芝生スペース横に作った家庭菜園で、友人たちに野菜作りの指導をしている、と楽しそうに語る。
 忙しい日々のなかで、自分なりの楽しみ方を見出し、今後も地域のために活躍してほしい。
●鐘推さんProfile
島根県出雲市出身。大社高校の体育科を卒業後、岡山の大学に進学。卒業後は、陸上の十種競技の選手として競技中心の生活をおくるため、香川県直島のホテルマンや機械製造業と職を変えるが、選手としての限界を感じたことと、家業を継ぐ目的もあって3年前に帰郷。昨年11月に『くるみ市』がオープンしてからは多忙な毎日をおくっている。今後は直売所のほかにアートスペースを利用し、各種イベントを企画して、精力的に地域を盛り上げていく予定。
 






鐘推さんの暮らす街-出雲市-
■人口約147,100人(H23)
■世帯数約51,000世帯(H23)

島根県の中東部に位置する市で、県内では松江市についで2番目の人口を抱える。出雲平野を中心として、北は日本海、南は中国山地に接し、市の東側には斐川町との境界を成す斐伊川が流れ、宍道湖に注いでいる。市の花は菊、市の木は黒松。
 
【神話のふるさと出雲】
旧暦10月には日本中の神様が集う神々のふるさと出雲。出雲大社や須佐神社など豊かな歴史・文化資源を有している。
(画像:出雲大社)




 
【高度医療機関集積】
県立中央病院や島根大学医学部など高度な医療機関が集積しており、人口1万人あたりの医師数は全国でも上位に位置づけられている。
(画像:島根県立中央病院)

※出雲市は東に隣接する斐川町と10月1日に合併する予定です。
 
 
 
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