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本田 彰さん 26歳 愛する地元・職場・家族 当たり前の環境を最良と思える充実した日々




定置網漁とは、決められた漁場に定置網と呼ばれる専用の漁網を仕掛けて魚を捕獲する漁法。早朝からの漁を終え帰港してからの網の手入れも入念におこなう。



定置網漁船「第二十八真和丸」の船上が本田さんの働く現場。



真和の大型定置網化に辣腕をふるった福島充専務は本田さんたち若手の精神的支柱。豪放磊落な人柄で会社を引っぱる。



全国の漁業関係者が視察にくるほど「真和のアジ」はブランドとして高い評価を得ている。そのアジのシーズンは春と秋。他にはイカも主力の水揚げがある。



江津市渡津町の海岸線、日本海を見下ろす高台にある真和漁業生産組合。




独自の制度で従業員を支える真和漁業生産組合という職場
 後継者不足や高齢化等、地方の一次産業が抱える諸々の問題をものともせず、若手からベテランまでが一丸となり、エネルギッシュに日々の漁に励んでいる。それが江津市渡津町に拠点を置く「真和漁業生産組合」。目の前には日本海が広がり、その先には、「真和のアジ」と市場で賞賛される最高級のアジが水揚げされる自慢の定置網漁場がある。  そんな真和の定置網漁業を支えるメンバーのなかでも、次代を担う若手として期待の星が、地元出身の26歳、本田彰さん。
 「子どもの頃から海が好きで江津が好きで、そんな自分の思いとぴったりなこの職場で働けたことは、本当に幸運でした」と白い歯を覗かせる。
 幸運というのもおおげさではなく、真和漁業は県西部の水産高校生からの人気が高く、就職先としては狭き門。こうした「人気+働きやすい職場」という評価が下地となって、真和の次世代育成が円滑に進んでいるといっていい。
 人気の背景には「真和のアジ」というブランド力があることはもちろんだが、漁業組織としては珍しく、給料制度を採用していることも大きい。
 「うちは一般の会社と同じく完全給料制にしているので、天候に左右されず、安心して働けるという部分がある。また、社員全員がJF(漁業協同組合)に加入することを前提に、勤務時間外に貝類を中心とした漁をすることも認めているので、頑張り次第で収入も上がる。これは組合員として、社会の厳しさも知ることができるし、漁業者として一人前になるための技術も身につくんです」と語るのは、現在のスタイルを確立させた福島充専務。
 完全給料制を可能にしたのも、定置網漁業の大型化に伴い、独自の流通ルート開拓で会社を成長させてきた、福島専務たちの努力によるところが大きい。
 魅力ある会社とスキルをもつ先輩に囲まれ、本田さんの仕事人生はますます充実していくことだろう。

豊かな近海の恩恵を受ける充実した仕事スタイル
 一般企業と変わらない給料制度のおかげで安心して働けるだけでなく、漁業ならではの出来高(漁獲量に応じた歩合収入)と、仕事終了後におこなう自分の漁で、出産を間近に控えた奥さんと2歳半になる長女との生活を支える本田さん。「この時期は朝6時半から漁に出掛けます。昼には帰港して魚の選別や網仕事(補修管理)をおこない、15時に勤務が終わり、そこからが自分の漁。冬場はアワビのシーズンなので、ウェットに着替えて素潜り漁です」と屈託がない。
 真和のほとんどのメンバーが同じように貝類を中心とした漁をおこない、契約した組合を経て副収入を得る。それでも、瀬戸内のタグボート会社で働いていた頃よりも収入は減ったというが、家族的な絆で結ばれた真和の仲間たちと、暮らしやすい江津の環境があれば十分と笑う。

夢や目標はゆっくりと… 当たり前の日常を謳歌する
 今後は潜れない時間の有効利用を考えていきたいという本田さん。
 「真和の仕事は土曜が休みなので、船があれば、金曜の夜にイカ釣り漁もできます。会社の船を使うことも可能なんですが、やっぱりいずれは自分の船を持ちたいですね」。
 水産高校卒業後、県外に出たことで、より地元への愛着が深まったという本田さん。「自分の船を持つ」という目標の前に、今の生活それ自体をかけがえのないものとして受け止めているようだ。

●本田さんProfile
島根県江津市出身。島根県立浜田水産高等学校海洋技術科を履修後、専修科へ進み遠洋漁業を学ぶ。その後広島県福山市にあるタグボート会社に入社するが半年で帰郷。その後、ちょうど欠員の生じた真和漁業生産組合に入社し現在6年目。妻と長女(2歳半)、祖父母、父母の7人暮らし。


よしとさんの暮らす街-松江市-
江津市は島根県の中央部よりやや西寄りに位置し、中央を中国地方一の大河である江の川が流れる工業都市(人口/約26,300人、世帯数約11,700世帯)。平均気温が15℃と温暖で、年間降水量1,500mm前後で北九州気候区に属し、積雪はほとんどなく温和な気候。古くから窯業が盛んで、石州瓦は※釉薬瓦の全国で25%のシェアを誇る。 ※釉薬瓦…表面を釉薬で化粧した粘土瓦。
【江の川】
江の川
【石州瓦】
石州瓦
【有福温泉】
有福温泉
広島県および島根県を流れる一級河川の本流で中国地方最大の川(幹川流路延長194kmで全国12位)。別名「中国太郎」とも呼ばれる。 石見地方で生産されている粘土瓦。三州瓦、淡路瓦と並ぶ日本三大瓦の一つ。赤茶色の瓦屋根が織りなす景色は石見地方特有の風景。

今からおよそ1350年前、ひとりの修行僧が発見したといわれる歴史のある温泉。無色無臭透明な単純アルカリ泉は美しい白肌を作る『美人の湯』として有名。
 
 
 
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