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鞆の銀蔵(島めぐり、民宿、食事、観光案内)代表  山根俊隆さん(72歳)・直美さん(66歳)
鳴り砂の町に誕生したユニーク民宿 思わぬ好評に戸惑いつつも 夫婦仲良く地域の素晴らしさを発信
 仁摩町馬路(大田市)で民宿・食事処「鞆の銀蔵(とものかなぐら)」を管理している山根俊隆・直美夫妻。
 静かな海の町・馬路といえば、鳴り砂の琴ヶ浜が有名だが、実は昔から優秀な左官職人を多く輩出する地域としても知られている。俊隆さんも左官職人として、関西を中心に全国で腕をふるっていた一人。同郷の直美さんと結婚し二男をもうけ、長きにわたり関西での生活を送っていた。「両親の面倒を見るために戻ってきたんです。その後は地元の工務店で働き、定年後は新聞販売などで生計を立てていたんですが、まさか自分たちが民宿をやるようになるとは」と俊隆さん。
 鞆の銀蔵が誕生したのが平成18年。きっかけは石見銀山の世界遺産登録。「銀山が世界遺産に登録されたのに、この地域にはまともな公衆トイレすらない状態で、観光客が訪れても、もてなすことが出来ない。そこで地元の有志が集まって何かやろうと形になったのがこの民宿です」。
 当初は民宿のみでオープン。ひと月後に食事処をスタートさせると予想以上の人気となり、俊隆さんも並行していた他の仕事を辞め、鞆の銀蔵一本に絞ることとした。「民宿が1日1組なので、もっと多くの人々にこの地域を楽しんでもらいたいと食事処を始めたんですが」と働き者の夫妻も驚くほどの盛況ぶり。民宿も、インターネットや情報誌のPR効果も手伝い常連客がつくほど。「暇がなくなって趣味の旅行やドライブが出来なくなった」と笑い飛ばす俊隆さんを横目に、「県外からのお客様たちとの語らいが、それを解消してくれるんですよ。ここに居ながら日本中を旅行しているみたい」と優しく笑う直美さん。宿泊のお客さんと話しているうちに話題にのぼった蛍を、一緒に見物に行ったりするなど、忙しさの中に楽しみを見出している。
 「今後は馬路から出て遠くで生活している人のための墓守や、独り暮らしの老人の給食サービスなども視野に入れている」と俊隆さん。
 鞆の銀蔵をきっかけに、夫妻のシニアライフはますます忙しくなっていきそうだ。



1日1組の民宿には、毎年同じ時期に訪れる常連客も増えている。


古民家を移築した民宿。水回り等は新しくされているので快適に過ごせる。


高台に建ち、絶景が自慢の食事処はシーズンになるといつも満席。


夏の観光シーズンに向けて新たなメニュー開発にも力を入れている。
 
 
 
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