しまねで暮らし、しまねで輝く  ネクストジェネレーション
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よしとさん(29歳) 温かい手作業で紡ぎ出される ライブペーパーヒストリー 絵と音楽で笑顔を伝えたい




「何にでも描けて水にも強い」というアクリル絵の具で独自の世界を描く。この時は依頼のあった結婚までのなれそめ絵本を製作中。



ライブペーパーストーリーを生み出すきっかけになった初出版の絵本と過去に発表してきた絵本の数々。  



歴代の紙芝居台。重量級の初代(中)やからくり式(右)を経て、現在の折りたたみ式が完成した。



結婚後、それまでの仕事を辞めて絵に専念したのは、奥さんとの時間を大切にしたかったのが大きな理由。そんな二人の結婚生活ももうすぐ3年。



6月に松江市 カラコロ工房で開催されたイベント。地下会場に明るい歌声がこだまする。ちびっ子たちが最前列で食い入るように紙芝居を観ていたのが印象的。




ひとつの個展から広がる活動 島根に留まらない大きな夢へ
  「絵本作家よしと」に紙芝居師の肩書きが加わったのは、初めて出版した絵本の個展がきっかけ。「ありきたりの個展がイヤで、見せるだけでなく『表現』するためには?とアイディアを練っていたんですが…」。
 そんな時に出会ったのが、音楽担当の『ひうた』さん。「相方とはひとつ前の個展で知り合って、すぐに意気投合したんです。『彼の音楽とコラボすれば何か面白いことができる』。そこから今の形を作っていきました」。
 良き相棒を得て開催した個展は、よしとさんが絵本を読み聞かせ、ひうたさんが伴奏するというライブ形式。この個展が大盛況となり、そこに来ていた保育士さんなどから口コミで評判が広がりはじめる。やがて保育園などから仕事を依頼されるようになり、現在の基盤が築かれた。
 そうして、オリジナルの紙芝居と陽気なパフォーマンスを交えて表現する「ライブペーパーストーリー(新感覚紙芝居)」として展開するようになり、今では、関東や九州など全国各地からもお呼びがかかるほどの人気だ。
 変化や改善を加えながら、洗練されていくステージは、イベントを重ねるごとに評判が高まり、内容も多彩なものに。
 「食育や人権をテーマにした紙芝居の依頼が来たり、某有名家具屋の買い物ガイダンスを紙芝居にしたり。自分たちに出来るものは、どんどんチャレンジしているところです」。
 そして今、力を入れてるのは、結婚のなれそめを絵本にして式で披露するというもの。これも口コミで評判が広がり、大きな活動に成長しつつある。
 「絵と音楽でどれだけの人々に笑顔を伝えられるかがテーマ。紙芝居って日本だけの文化なので、いずれは世界に出て行きたい」。
 紙芝居の物語のように、目標も大きく広がっている。

眠れる情熱を奮い立たせて みんなで島根を全国へ発信!
 島根に暮らしていることを「強く意識している」というよしとさん。「こういう活動をし
ていると、必ず『田舎では食えないよ』と言われるんです。その風潮をなんとかくつがえして、逆に僕たちの紙芝居で全国から人を呼びたいんです」と意気込みを語る。「島根県って新しいものを発信するのが下手だと思うんですよ。いい人材やアイディアがたくさんあるのにもったいない!といつも思ってます」。その反面、「他県で紙芝居するとわかるんですが、島根の子どもたちはリアクションがとても良いんです。イベントを盛り上げようと一生懸命な大人の気持ちが伝わるからでしょうね」と島根の良いところを再確認することも。だからこそ「もっと島根を知ってもらいたい、盛り上げたい」と話す。自分たちの活動のように、もっと島根に誇りをもって、全国に発信していく仲間が増えることを願っている。

生活していくためではなく 楽しく暮らすために描く絵
 「困難な状況ほど力が湧いてくる」とよしとさん。岡山のデザイン学校を卒業し、帰郷後の4年間、アルバイトをかけ持ちし、寝る間を惜しんで紙芝居を創作していた。一旦は就職をするが、結婚を機に仕事を辞め、絵を描くことに専念。すると突然仕事が増え出し、紙芝居以外のアイディアも生み出された。
 「不安もあるけど、僕のやることは『描くこと』のみ。将来の不安は、良く捉えれば可能性でもある。それが楽しいから続けられるんです」。
 絵を描くことは、生活のためではなく、生きるためのライフワークのようだ。
●よしとさんProfile
松江市出身。岡山のデザイン学校を卒業後、画家として活動開始する。知人に作風が「絵本のよう」と評されたことに可能性を見出し絵本作家に転身。平成18年、絵本初出版を記念する個展から、県内出身のシンガーソングライター『ひうた』とのコラボを開始、現在に至る。

■よしとホームページ
http://cherico3.blog82.fc2.com
■「よしととひうたの新感覚紙芝居」
http://www.yoshitotohiuta.com
絵本以外の作品も時間をやりくりしながら手掛けている。





よしとさんの暮らす街-松江市-
2005年に1市6町1村が合併し、誕生した松江市。(人口/約192,000人・世帯数/約78,300世帯) 大橋川によって市街地は南北にわかれ、北は橋北(きょうほく)南は橋南(きょうなん)と呼ばれる。旧来より「水の都」とされ、水郷水都全国会議の第1回会議は松江市で開催された。市の花「椿と牡丹」・市の木「松と桜」・市の魚介「しじみと鯛」。
【松江城】
【宍道湖のしじみ漁】
【和菓子】
中国地方の県庁所在地で唯一の現存天守。高さ30メートル、5層6階の天守は桃山様式の天守として築城当時のまま現存しており国の重要文化財に指定されている。 ジョレンというカゴ状の漁具を用い行われるしじみ漁。主に採れるのは「ヤマトシジミ」。約300人の漁師にのみ許可され、宍道湖の豊かな恵みを守っている。

茶の湯を奨励した松平不昧により、多くの種類の茶菓子が考案された。松江市は京都市や金沢市とともに日本三大菓子処とされる。

 
 
 
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