若者チャレンジ
 
佐藤いずみさん
アーティスト活動の他、塾講師として子どもたちに国語を教えていた経験もある佐藤さん。とにかくすべてが「言葉」に包まれたライフスタイル。そんな彼女が力を注いでいるのが、「詩の教室」ともいうべきワークショップ。参加者が一枚の絵や写真(風景・人・物)を見ながらイメージした言葉を紡ぎ、もう一篇の詩を読むという内容。「参加者は、興味ある人と苦手な人の両極端。でも皆さんすごく楽しんでくれてます」。3年間で10回を数えるというこのワークショップは今後もまだまだ発展していきそうだ。


お気に入りの筆記用具。モノにこだわるというより、好きな筆記用具を使うことによって生じる発想を大切にしているという。とはいえ「気に入りすぎてまだ使ってない」ものや、ここぞというときに使う万年筆などもあり。


入稿時のデータ化でパソコンは使用するが、それ以外はすべて手書きで進めるという。処女作「幻日」も原稿用紙に手書きで仕上げた。筆記用具と同じように、文字を書くという行為がすなわち創作に繋がる。
未来の自分へ
日本が世界に誇る出雲IZUMOのいずみIZUMIとして己の名に恥じないものを生み出すこと。度量を驕らず敬愛する仲間を頼ること。笑うこと。泣くこと。本の偶には怒ること。そうやって日々を旅して行くこと。未完成のままに生き続けること。そして帰る場所は相変わらずに、皆でご飯を食べること。
佐藤いずみさん



池田拓さん 匹見町出身(22歳)

「自由を愛して今日も走る できたて自慢の酵母パン屋さん

 「言葉」を使い、さまざまな活動を展開する佐藤いずみさん。出雲を拠点に、詩、小説、イベントなどを通じて、自らの「言葉」を発信し続けている。
 幼いころから書くことが当り前になっていた佐藤さんは、大学生で詩集を自費出版するなど、早くから言葉への思いは形になっていたが、当時の志望はパティシエ。「当時、思い描いていたイメージは『自分のカフェをひらいて、そこに自作の詩集を並べる』でしたが、これは『逃げ』だと気づいて。そこから言葉だけを追いかけることにしたんです」。そう決めて以来、就職活動で慌ただしい仲間たちを横目に、「1年以内に自分の作品を全国流通にのせる」という自分だけの目標を立てる。
 全国流通にのせるとは、つまり自分の言葉が掲載された本が出版されること。そしてその目標は達成され、そして…。
 「オムニバス形式の詩集2冊に発表できたんですが、その出版社から『小説を書いてみないか?』と打診されて…」。
 当時は詩へのこだわりが強く、小説執筆にはあまり乗り気ではなかった佐藤さん。しかし、「何事も勉強」と一念発起、平成19年10月、長編小説「幻日(げんじつ)」を発表する。
 穏やかな人柄から、癒し的な作風を想像しがちだが、彼女の言葉はときに重く、ときに辛辣。自己肯定が主題の「幻日」も、読者によってさまざまな感想を抱く作品。
 出版から1年間は、イベントや展示会などでPR活動を展開。それが各種の交流を呼び、現在のポエトリー・リーディング・イベントとして定着しつつある。「あらかじめ言葉を用意するのではなく、即興でポエムを作り朗読するイベントです。お客さんと相対することでしか生まれない言葉があるんです」。言葉を生き物のように捉える彼女にとって、この意義は大きい。
 「以前は出版物にこだわってましたが、今はもっと自由に言葉を扱っていきたい」という現在は、言葉の断片集めに夢中。
 「出雲という土地に私がいる意義を感じはじめている。新しい出会いや経験を重ねて、頭の引き出しを新しい言葉で満たしたい」。
 そんな変化を彼女自身が何よりも楽しみにしている。


日本文学館から発表された処女作の長編小説「幻日」。自己を肯定するというテーマに沿って綴られる物語は、言葉を真摯に表現する佐藤さんならではの作風。
長編小説「幻日」

ポエトリー・リーディング・イベント


昨年10月、松江市の「DOOR BOOK STORE」にて行われたイベントの様子。


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