UIターンの先輩達
 

生田裕久さん(34歳)
生田さんと話をしていると、生まれたときから農業をやっ
ているような、気負いのなさを感じる。厳しい状況を当た
り前のように受け止めながら「それでも農業は楽しい!」
と言い切れる心の強さがあるからだろう。
鳥取県から安来市へIターン
鳥取県米子市淀江町出身。大学(広島県福山市)を中退後、帰郷して鳥取県生協で9年間勤務。この勤務期間に農業への意識が高まり、結婚後、長女の誕生と同時に退職。しまね定住財団定住支援課を窓口に、安来市での産業体験(農業研修)と、東部農林振興センター中海干拓営農部での研修の2年間を経て、現在に至る。トルコキキョウをはじめ数種の花栽培を4棟のビニールハウスで管理。今春からはいよいよメインとなるトルコキキョウの植え付けがはじまる。家族は奥さんと3歳になる女の子の3人家族。
会社員ではないので勤務時間は自由ですが、昔より早起きするようになった気がします。

厳しいばかり嘆いてもはじまらない 家族と花にかこまれた前向き農業ライフ
 坊主頭に赤いメガネの組み合わせが印象的な生田裕久さんは、安来市の田園地帯で花のビニールハウス栽培に精を出す一児のお父さん。
 米子市(旧西伯郡淀江町)出身の生田さんが農業を志したのは、鳥取県生協で長年勤務しているうちに芽生えてきたもの。
 「生産者とふれあううちにジワジワと…(笑)。出会う人々が僕にいい変化を与えてくれたようです。それと、以前から興味のあった食べ物の根本に関わっていきたかった」。
 奥さんの理解と後押しもあり、長女が生まれたタイミングで島根へIターン、農業の道を模索しはじめる。
 前職で地元生産者との絆もあった生田さんが、鳥取県に残らず、島根県(安来市)に落ち着いたのは、あるベテラン生産者に「知らない土地で、人間関係等、仕事以外のストレスにとらわれるよりも、知っている土地で存分にやりなさい」と言われたことに起因する。
 安来市は奥さんの故郷であるうえ、実家は専業農家。生田さんには、それを受け継ぐという選択肢もあったはずだが、「自分でやらないと何の意味もない」と同市の農業研修生として、葉物野菜、花、ブドウとそれぞれの専業農家で1年間の研修した後、中海営農センターでさらに1年間の研修(花)を積み、いよいよ独り立ちしたのが昨年の夏。
 ビニールハウス四棟という現在の農地は、近くで農業を営む義父から借り受けたもの。生産物は県からのアドバイスもあり、花の栽培に決めた。
 「メインはトルコキキョウになりますが、植え付けもこれからなので、どうなっていくのか楽しみでもあり心配でもあります」と頭を掻く。
 農業とは生活するための大切な糧である以上、ナーバスになる部分も多いはずだが、「厳しいばっかり言ってもつまらんじゃないですか(笑)。もちろん課題もありますが、それよりも理想の生活に向けて一歩一歩近づいてる感じを味わいながらやっていきたい」と目を輝かす。
 その理想とは、自分の腕(農業)ひとつで家族を養える生活。生田さんのポジティブ農業ライフは、この春から本格的に始動する。
 
Iターンして激変したのは経費の占める割合の大きさだという。工具好きの生田さんにとっては悩ましい問題だ。
現在、栽培してるのは、これから植え付けを始めるトルコキキョウのほか3種。この春から正念場を迎える。
足立美術館へと向かう飯梨川土手の下にある生田さんのビニールハウス。一人で管理するにはかなりの規模。



定住までの経緯
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