UIターンの先輩達
 

福西健一さん(46歳)
 「出雲大社ベースはまだまだこれからです」と笑う福西
さん。ベース兼用となるカフェもエネルギッシュな福西さ
んのイメージと同じく明るい雰囲気。「島根で何ができる
か?」と真剣に考え、具現してきたIターン者の笑顔はま
ぶしい。
神奈川県から大田市へIターン
三宅島(東京都)出身。27歳まで公務員として働いた後、32歳で独立(建設業)。平成19年、四女の誕生に合わせて島根へIターン。再び自営で建設業を営む傍ら、石見銀山での新しい観光サービス(ベロタクシー)を思い立ち、平成20年「ライナス・ワン株式会社」を設立し、現在は石見銀山BASE、出雲大社BASE(カフェ併設)の2拠点で展開。福西家は、Iターン後に誕生した末の次男を加え、四女二男のお子さんが6名、福西夫妻と長女夫妻を加え、ひとつ屋根の下に11人が暮らす大家族でもある。※ベロとはラテン語で「自転車」のこと。
娘の結婚等で家族が増え、生活費や食費は増えましたが、その分幸せも増えた気がします。

ゼロからの島根でゼロからのチャレンジ ベロタクシーで切り開く新しい観光事業
  石見銀山、出雲大社と島根県の二大観光スポットを舞台に、ベロタクシーで新しい観光を提供する「ライナス・ワン」代表の福西健一さん。本業の建築業を差し置いて、このユニークな商売をスタートしたのも、5番目のお子さんの誕生がすべてのきっかけ。
 「家族が増えたことだし思いきって引っ越そうと(笑)。海育ちなので、似たような環境が良いなあ?などと考えてはいたんですが…」。大きな工事の最中で多忙だった福西さんに代わり、全権を任された奥さんが最終的に決めた引っ越し先が、自分の故郷(大田市温泉津町)だった。
 「『島根に決めた』と言われたときはびっくり(笑)とはいえ、長女の高校受験が控えていたので、すぐに行動を起こしたんです」。
 家族を第一に考えたのも、「建築業の実績もあるし、どこか雇ってくれるだろう」と自身の就職を楽観視していたからだが、いざ蓋を開けると「どの会社も『四十過ぎているからダメ』と断られ、就職を諦めざるを得なかったんです」。
 勝手の違いに戸惑いつつも、自営に切り替え、地道な営業活動を開始。やっと仕事がとれたのも、Iターンから半年後のこと。それでも経験と腕を高く評価され、仕事が繋がりはじめていた平成20年、ベロタクシーという新しい仕事と出会う。
 「世界遺産登録記念に、三宅島から母親を銀山観光に招待したんですが、畑仕事で足腰を鍛えているはずの母親が『銀山の観光は距離が長くて大変』とこぼしたんです」。それをきっかけに、「大勢の人が来ているが、充分な観光ができていないのでは?」と疑問を持ち、移動をサポートする観光事業を模索。試行錯誤の後、ベロタクシーを選択した。
 幸運だったのは、そこから出会う人々すべてが事業実現のキーマンとなったこと。おかげで、平成20年の石見銀山、その翌年は出雲大社の拠点設置と、トントン拍子で現在に至る。
 「支援してくださった人々に背中を押されてここまでたどり着いた感じです。今後も新しい切り口での観光分野を開拓していきたい」。
 ゼロからスタートした島根暮らし。ベロタクシーから始まった新展開はまだまだ成長していきそうだ。

出雲大社ベースは「DRINKING」というカフェが目印。鳥居のある大通り沿いなので一際目立つ。
福西さんの趣味が生かされたアメリカンコミックやレトロチックなアイテムがたくさん並んだカフェ店内。
距離のある石見銀山の観光コースもこれで楽々。「一人一人の思い出に残る観光を提供したい」と福西さん。


定住までの経緯
→ → →
Beans Top> バックナンバー >Vol.35