若者チャレンジ
 

初対面では「池田くん」、取材が30分も過ぎた頃には「拓ちゃん」と友達感覚で呼べるほど、とにかくフレンドリーで個性的な池田くん。22歳にしてここまで多彩な遍歴を誇るのも、どこに行っても自分らしさを失わず、自然に周囲にとけ込める術があるから。実は池田くんの父親は、知る人ぞ知る農民洋画家の池田一憲画伯。芸術家一家に生まれたことも、彼の自由奔放な人格形成の一端を担っているようだ。そんな彼の作るこだわり酵母パンについては「こうぼパン 拓」ホームページ http://koubopantaku.web.fc2.com/


徹夜でパン作りに没頭していた後に取材にうかがったせいか、寝ぼけながら応対してくれるなど、個性的な横顔を見せてくれた池田くん。そのキャラクターあってか交友関係も幅広く、それが仕事に反映することがあるという。


人気商品たち。写真では分かりにくいが食パンのサイズは通常よりもひとまわりほど小さいのが特徴。手前のビスコッティも程よい堅さで評判。山口や広島での人気が高く、各県のイベントに呼ばれて出店することも多い。
未来の自分へ

裏も表もなく、正直に人と接している、今の自分をそのままに、これから出会う人たちを大切にして、もっとコミュニケーションの輪を広げていきたいと思います。



池田拓さん 匹見町出身(22歳)

「自由を愛して今日も走る できたて自慢の酵母パン屋さん

 生まれ故郷の匹見町で『こうぼパン 拓』を営む、池田拓くん。営んでいるといっても、町内にはパン製造工房があるのみで、もっぱらマイカーでの移動販売とインターネット販売の2本柱。噛み応えのあるヨーロッパ風食事パンやビスコッティなど、オリジナリティに富んだ商品が口コミを中心に人気を集め、今年4月のオープン以来、大忙しの日々が続いている。
 本格的な酵母パン作りが好評な池田くんだが、最初からパン職人を目指していたわけではない。「もともと演劇を目指していたんですが、なぜだか広島の調理学校に入学することになって。そのあと、高校時代から石見神楽をやっていた縁で瑞穂町(邑南町)に移り、そこから演劇研修所に入るため静岡の浜松に行って…。実は高校卒業してから1年半のあいだに6回も引越したんですよ」と苦笑い。
 根っから自由奔放で自分の気持ちに正直な池田くん。その度に真剣に考えて行動した結果、浜松の研修所時代の友人の紹介で、同地の手作り酵母パンの店で働き、技術を身につけ、現在に至っている。
 「小さい頃、赤毛のアンやハイジの中に出てくるパンが食べたいのに、探してもどこにも売ってない(笑)それが偶然知った酵母パンに興味を持った理由です(笑)でも、ずっとクリエイティヴな世界に強い憧れがあったので…」。
 正反対の職人の道を選んだ自身の変化に戸惑いもあったが、「昔よく父に連れて行ってもらった喫茶店が、注文から調理まで、すべて店主さん一人でやっておられて、『なんか創りだしてるなぁ!』って感じが大好きで(笑)それで僕もあんな感じならやっていけるな!って思ったんです」。実際、パン作りからホームページの管理、配達、配送と、すべて一人でやっている彼を見ていると、職人という感じはしない。今も益田市の神楽社中で笛奏者として活動するなど、興味のほこ先も彼らしく無手勝流だ。
 「パン作りには誇りを持っていますが、その前に一人の人間として、いろいろな人に関わって刺激を受けていきたい」。池田くんの未来にはまだまだ驚きが待っているようだ。



人気の酵母パンを作り出す工房は、以前スナックだった店舗を改装したもの。池田くんは「全然パン工房に見えないので、ちょっと恥ずかしい」と笑う。とはいえ、梱包や配送作業も余裕でおこなえる広い空間も魅力である。




「こうぼパン 拓」HPのトップページ。オーダーフォームから商品説明等、分かりやすく作られているので、初めての人も迷うことなく注文できる。池田くんのブログもあり、優しい人柄が滲み出た文章も見どころのひとつ。
■「こうぼパン 拓」HP http://koubopantaku.web.fc2.com/

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