UIターンの先輩達
 

上田幸治さん(37歳)
雲間から太陽が現れたかのように明るく笑う顔が印象
的な上田さん。決して楽ではなかった店OPENまでの道
のりも、持ち前の明るさで乗り切ってきたかのように感
じる。そんな上田さんのこだわりを散りばめた店ホーム
ページも必見。
東京都から益田市へUターン
益田市出身。実家は老舗料亭の『料亭 上田』。フレンチの料理人を志して高校卒業を機に上京、当時新設されたばかりの辻調理師専門学校東京校へ進学。1年間のフランス研修を経験し、卒業後の10年間は東京のレストランを渡り歩き修行を重ねる。28歳で帰郷し、その1年後には『レストラン・ボンヌママン・ノブ』OPEN。洗練されつつ親しみやすい味にリピータも多い。最近ではレストラン・ウェディングにも力を入れるなど、フレンチ店として、さまざまな可能性を模索中。

激務だった東京時代とは違い、現在はゆったりとした益田時間(笑)で生活しています。

フランスの片田舎で目覚めた郷土愛 信念を貫き、開花した理想のフレンチ
 海岸沿いの小高い丘の上、青屋根と白壁が印象的な『レストラン・ボンヌママン・ノブ』は、オーナー上田幸治さんが手塩にかけた本格フレンチのお店だ。
 益田市内の老舗料亭で育ち、いつしか料理人を目指すようになるが、「なぜフレンチか?でしょ(笑)実は当時の人気料理番組の影響なんです。特にフレンチは、和食しか知らなかった僕には衝撃的でした」。
 家業を誇り、地元愛を持ちつつも、高校卒業後、駆り立てられるように東京のフランス料理専門学校へ進学。そこで大きな転機となるフランス研修を経験する。「研修先は田舎だったんですが、環境もそこに暮らす人々も素晴らしく、「有名になってやる!」と功名に先走っていた気持ちを改めさせてくれたんです」。都会で成功するだけが料理人の人生ではない。「田舎でも理想の店ができる」と確信したとき、それまで振り返ることのなかった故郷を見つめ直し、Uターン開店という青写真を描き始める。
 とはいえ、東京に戻ってからは苦労の連続。勤務先のレストランでは、有名料理学校出身のエリート扱いで、プレッシャーをかけられることもしばしば…。それでも故郷で店を持つという目標が上田さんを支えた。 そんな10年間の修行を経て帰郷。店の場所もすぐに現在地に落ち着き、いざ!と始動開始するが…。
 「最悪な出だしでした(苦笑)初めは珍しさもあってか、たくさん来ていただけたんですが、3ヶ月を過ぎた頃からパッタリ(笑)現実を突きつけられた思いでした」。
 フレンチの作法に戸惑い席を立つ人、パスタを要求する人等々…。「挫けそうにもなりましたが、ある先輩に言われた「妥協はしても迎合するな」の言葉を胸に踏ん張りました」。
 それまでなかったメニュー表の提示から、田舎でも親しめる味の開発、さらに地元食材にも目を向けるなどの軌道修正を決行。結果、多くのリピーターを抱え、レストラン・ウェディング会場としても、今年だけで13組のカップルを送り出すまでの成長を遂げた。
 「この忙しさをバネに、地元PRにも繋げていけたら…」。上田さんの青写真はまだ広がりつつある。
 
こだわりの意匠は「無機質デザインが好みだけど、お客様のために親しみやすさもプラスした」と上田さん。
お店では「家庭では食することの無い、非日常的な特別なものを提供したい」と上田さん自慢の料理が並ぶ。
「非日常空間を提供したかった」という店は、広い店内とデッキ、その向こうに広がる海の一体感が素晴らしい。
定住までの経緯
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