しまねT.R. 島根のユニーク企業紹介

浜田とウラジオストックを結び物流の懸け橋を目指す貿易企業(浜田市/株式会社 エル・アイ・ビー)

ロシアへの中古車輸出は年間2万台

 浜田港に本社を構える「株式会社エル・アイ・ビー」は、中古車輸出を中心に事業を拡大している総合貿易商社である。主な取引先はロシア。ウラジオストックまで900キロメートルという近さに位置する、浜田港の盛んな船舶交通を活用したビジネス展開が注目されている企業である。

 (株)エル・アイ・ビーが設立されたのは2006年であるが、海外取引の始まりはその9年前にさかのぼる。1997年、(株)エル・アイ・ビーの高橋克弘社長が代表取締役を務める「株式会社チューブ」が、発展著しいロシアに向けて中古車輸出をスタートした。ロシアの好景気とも相まって輸出は年々増加し、年間1万5千台を輸出するまでになった。そこで、さらなる事業拡大を目指して、2006年に(株)エル・アイ・ビーを設立、中古車輸出事業を引き継いだ。2007年には年間2万台を輸出するまでに成長している。

 日本製中古車へのニーズについて、常務の上部健治氏は次のように語る。
「海外バイヤーの間では、日本車の品質への信頼は高く、中古車に対するニーズは年々高まっています。弊社としては、良質車のさらなる安定供給と、さらなるコストダウンや迅速な輸送などが求められています」。

人と人との交流がビジネスの原点

 浜田港からウラジオストックへの直行便は、ひと月に10便程度就航している。(株)エル・アイ・ビーは、中古車の仕入れから、船の手配、スケジュール管理業務も含め、輸出手続きを一括して行っている。

およそ2000台の在庫車が出荷を待っている。
ロシアをはじめ世界各国へ年間約20,000台もの車が輸出されている。日本屈指の中古車輸出拠点。

 最近の中古車市場はネットオークションが主流。バイヤーから送られてくる希望車種や金額が書かれた注文書に基づいて、(株)エル・アイ・ビーが、日本全国のオークションで中古車を落札し、ロシアへ送る。現在、ロシアの取引先はおよそ100社だ。

 ロシアのバイヤーが来日した際は、オークション会場へのアテンドや、落札のアドバイスなどを行っている。オフの日は、ショッピングや観光にもスタッフが付き合うこともあるという。
「うちのスタッフは、ロシアの人たちの誠実さや真面目さを、仕事を通じて感じているんです。ビジネスの根底には信頼関係が不可欠です。今では、ロシア側だけでなく、輸出側の日本企業からも、『取引にはエル・アイ・ビーが間に入ってほしい』と言われるようになりました。弊社には10年間築き上げてきたルートやネットワークがありますから、それが一番の信頼になっているのだと思います」(上部氏)

ローロー船就航で広がる可能性

浜田港から積み出されウラジオストックへと運ばれる。

 2008年7月には、ロシア大手船会社「フェスコ」のローロー船が定期就航することが決まった。ローロー船とは、「Roll On Roll Off Ship(ロールオンロールオフ船)」の略で、船腹積み込み式の貨物船のこと。クレーンを使わず積み込みができるため、荷役作業が効率的で、貨物の大量輸送も可能になる。
「これからは、中古車だけでなく、地元の素晴らしい産物も輸出していきたいと考えています。ウラジオストックまで直行便なら一日半です。これなら、生鮮食料品の輸出も可能です。輸出製品を拡大して、県西部の経済の活性化につながればと考えています。地方の貿易商社だからこそ、大手商社にできないニッチな部分を手掛けていく。そこに新しいビジネスチャンスがあるのだと思っています」。

 海外貿易の拠点として、まだまだ可能性を秘めた浜田港。(株)エル・アイ・ビーをはじめとした地元企業の取り組みに、新しいビジネス創出の期待がかけられている。

会社概要

【設立】 平成18年7月24日
【代表】 代表取締役会長 丸山 明
代表取締役社長 高橋 克弘
【本店】 島根県浜田市熱田町2135番地8
【電話番号】 0855-27-3434
【FAX番号】 0855-27-3497
【資本金】 9,900万円
【年商】 130億円
【従業員】 40名
【HP】 http://www.lib-corp.co.jp/
【事業内容】 ・自動車の販売および輸出入
・自動二輪車および自転車の販売、修理並び に輸出入
・下記の商品の賃貸借及び売買並びに輸出入
[自動車関連機器・自動車部品・用品・消耗 品・洗車機・建築資材・食料品]
・自動車損害賠償責任保険代理業、損害保険 代理業
・港湾運送業

メッセージ

 企業が社員に望む能力は、それぞれのポジションによってより高いものであることに越したことはありませんが、一人の力にはあくまで限界があります。それよりも、皆と協力しながらチームをまとめ上げ、目標を達成するリーダーシップが求められます。そして、とにかく素直で前向きであることと、打たれ強い精神的タフさが必要です。
  今は先行き不透明な時代ですが、重要なのは、自分のお客様は誰であり、何を望んでいるかを的確につかみ、迅速に対応していくことだと思います。月並みですが、全社員がそれを確実に実行できる会社が生き残れるのだと思います。それは1社員が会社に対しても同じことが言えると思います。これから社会人となられる方も、そういったことをしっかり考えていただければと思います。