しまねの元気君 島根で活躍中の若者たち - 東京・海外での経験を活かし島根の地酒を全国にPRしたい

吉田智則さん(33歳)
吉田酒造株式会社・専務取締役

 

さまざまな経験をした20代

 酒蔵の息子として生まれたので、子どもの頃から「跡を継ぐ」というのは暗黙の了解でした。でも高校卒業後は、東京の大学に進学、機械工学を専攻しました。お酒を学ぶには農学部なんですけど、当時はあまり行きたくなかった(笑)。まだ若かったので、家業にどっぷりつかるのが嫌だったんでしょうね。

 大学卒業後は、東京の商社へ入社。25歳の時にオーストラリア留学の経験をしました。多くの友人もでき、国際的な視野を学ぶことができて、今の自分の大きな糧となっています。

 27歳で帰国し、家業を継ぐことになりました。実を言うと、それまで日本酒のことは詳しくありませんでした。海外ではビールばっかりでしたし(笑)。

 日本酒って本当に奥が深いんです。品評会で賞をとるお酒がおいしいかというと、実はそうでもない。「賞」の基準と、お客さんの「舌」との間にギャップを感じることがあります。だから「自分が飲んでおいしいお酒」を作っていきたいですね。

 現在は、新規マーケット開拓を担当していて、月の半分は県外です。東京に行くことが多いですが、やはり熱気や情報量が違います。島根ののんびりした雰囲気は大好きですが、商売には東京の刺激がプラスになりますね。島根の地酒はとてもおいしいので、首都圏や関西圏にもっともとPRしていきたいと思っています。

 昨年から、安来市商工会の発案で『yasugi職人ライフ』という活動に参加しています。安来市広瀬町、伯太町内の若手工芸作家や職人ら11名がメンバーで、異業種のコラボレーションで新商品の開発、販路開拓を行おうという取り組みです。

 第1号製品として「春・さくら」をテーマに、日本酒、菓子、工芸品などのセットを作りました。夏にも新しい製品を出す予定です。地域にやる気のある若手が大勢いるので、ぜひ連携しながら、地域の活性化につなげていけたらと思っています。

会社プロフィール

吉田酒造株式会社
住所/島根県安来市広瀬町広瀬1216
創業は文政9年(1826年)、広瀬藩の藩公特許による酒造館として始まった蔵元。全国新酒鑑評会で金賞を続けて受賞した清酒「月山」で知られる。「月山」の酒名は、戦国時代山陰地方を統治していた尼子氏の富田城のある「月山」にちなんで命名されたもの。地元の良質酒米と県下随一の水質を誇る名水で仕込まれた酒は、口当たり柔らかく喉越しが爽やかで、飲み飽きないと評判。

「yasugi職人ライフ」の参加メンバーは、それぞれ違う業種、経歴をもつため、お互い刺激を与えあえる仲間。今後の活躍が期待される。

“安来の四季”をテーマにしたコラボレート商品の製作を計画し、その第1弾として『春、さくら』をテーマにした商品を製作。
器などを含めた全ての製品が、yasugi職人ライフのメンバーの作品。撮影は、yasugi職人ライフメンバーの市川修平氏によるもの。