仕事漬け人生を見つめ直し
第二の人生を大好きな島根で暮らす
そんなシンプルな思いを夫婦で実現!

加藤 篤 さん〈54歳〉三重県出身
   和代 さん〈52歳〉愛知県出身


三重県出身の篤さんは愛知県の自動車部品メーカーで24年間勤務。5年前、体調を崩して入院したことを契機にIターンを模索し始める。愛知生まれで法律事務所勤務の和代さんとは退院後に結婚、そのまま島根
Iターン計画を共有することに。メーカー勤務以前に、2年半の小学校の講師経験のある篤さんは、それを生かして現在、3校目となる大田市立の小学校に勤務中。和代さんもヘルパー資格を取得するなど、地に足のついた島根暮らしを実践中。

仕事ばかりの毎日に疑問 入院を契機に島根を想う

 篤さんが最初にIターンを考えたのは、体調を崩して入院した5年前のこと。「人生を振り返るのによいきっかけになった」という入院生活は、仕事漬け人生への疑問を自らに投げかけると同時 に、大好きだった島根暮らし実現への原動力になる。
 「島根は母の里(斐川町)という縁で行き来があり、環境も人柄も全部気に入ってたんですね。だから田舎暮らしするなら、絶対に島根と決めていたんです」と相好を崩す。
 一方、愛知生粋の和代さんにとって縁もゆかりもない島根行きの計画は不安だらけ。しかし「私自身、体調を崩して将来に疑問を持った経験があり、“生活を変えたい”という主人の気持ちはすごく理解できたので、よく話し合って決めたんです」と夫唱婦随で島根暮らしに向けて行動を開始する。

先輩のアドバイスが力に!定住塾でIターンに開眼する

 島根各市町村のHP検索からという手探り状態のなか、ふるさと島根定住財団が主催する《定住塾(島根に暮らすU・Iターン者の集い)》の参加を機に島根への憧れがさらに高まる。「愛知は“Iターン”というものが浸透しておらず、周りに相談も出来ずで心許なかったんですが、定住塾を介して島根に暮らすU・Iターンの先輩にお会いできて、本当に心強かった」と述懐する。
 しかし、移住先を探すなか、夫妻を少なからず困らせたのは“Iターン=農業”という先入観の強さ。「空き家探しでも『畑付きの家だから』と紹介されることが多くて…私たちは農業をやるためではなく、のんびりと暮らしたいから島根に来たんですが、『農業しなければ島根に暮らせないのか?』と不安になるくらいで。私たちのような暮らしを望む方も多いと思うので、そういう人にも門戸を開けば、さらに島根に住みたい人が増えるのでは」と篤さん。

温かで大らかな地域性に迎えられた 夫唱婦随の新ステージ・桜江町

 桜江町にIターンする決め手のひとつが、桜江町へのU・Iターン者の支援や地域振興イベントなどで活動するNPO法人「結まーるプラス」の存在。「私たち同様、U・Iターン者が中心となった結まーるのおかげで、ちゃんと地域にとけ込めるのか?という不安を払拭することができた」と和代さん。篤さんも「田舎はとても閉鎖的で、他所者が暮らすのは、かなり大変だと思っていたが、ご近所の方々は、暖かく私たちを受け入れてくれた」と続ける。小中高の教員免許を持つ篤さんも、すぐに講師として再就職が決まり、現在は大田市の小学校に通勤する毎日。和代さんも地域の活動や習い事をこなしつつ、念願だったゆとりある生活をおくっている。
 農業など特別な手段を要せず、“そこで暮らしたい”というシンプルな思いで実現させた島根の暮らし。加藤さん夫妻の新しいステージはまだ始まったばかりだ。