田舎暮らしへの憧れ、そして実現へ

 平成18年12月、「不登校・高校中退・発育障害等の子どものためのフリースクール」事業を軸に、講演やイベント、研修を展開する『心理カウンセラー有限責任事業組合Cocono(ここの)』を起ち上げた、雲南市在住の野中浩一さん。
 千葉県銚子で育ち、直前まで東京暮らしをしていた野中さんが、島根県に来るきっかけとなったのが、会社を起ち上げた平成18年の春のこと。こう書くとジェットコースター的な人生設計に感じるが、実は現在に辿り着く原点は「将来は田舎暮らし」と心に決めた6年前にさかのぼる。小学生の頃から父親の仕事の関係で、転校ばかりだった野中さん。「転校の繰り返しで落ち着く暇もなく、ましてや一人っ子だったので、とにかくずっと孤独でしたね」。両親の里での野山体験が現在のライフスタイルに影響をもたらしているが、それよりも、「家庭を持ち、子どもを授かったとき、自分のような寂しい思いをさせたくないというのが大きかった」と野中さん。子どもも自分たちもゆっくりと落ち着いて生活できる定住地探し。それが田舎暮らし実現への最大の求心力となった。


スキルを極め、島根でステップアップ! 

 大学では心理学を専攻し、同時に演劇へ情熱を注いでいた学生時代。卒業後は厳しいプロの劇団も体験するが、結婚して家庭を持つべく、断腸の思いで演劇を断念。
 そして学習塾の講師として子どもたちと向かい合ってきた、島根に至るまでの年月。すべては「田舎暮らしをするまでに、揺るぎのないスキルを身につけたかったため」。野中さんの言う“スキル”とは、大学で学んだ「心理」。卒業後も打ち込んだ「演劇」。そして糧として選んだ後、その大切さを実感したという「教育」の3つ。この3つの“自信”が、島根での起業の原動力となり、起業へと昇華していった。
 3つのスキルを結集させた野中さんの活動は、目下、フリースクール「こころの宝石箱」を中心に船出したばかり。漠然とした田舎生活への憧憬が、いきなり起業という急展開。しかも同時期に長女が誕生と、公私ともに忙しくスタートした新生活。「やり甲斐のある毎日ですが、せっかく田舎暮らしを実現させたんだから、早く落ち着きたいですね。仕事を順調にするためにも、やっぱり家庭が幸せじゃなきゃ」と笑う。野中さんの島根ライフはまだ始まったばかりだ。

現在、雲南市大東町で一家3人と
猫2匹と暮らす。「朝の匂いや空気感、
生き物がたくさんいるのを実感できる
のがいいですね」と野中さん

  野中 浩一 PROFILE

1978年 千葉県銚子市出身
心理カウンセラー法人有限責任事業組合「Cocono」代表
フリースクールこころの宝石箱運営主任
大学で心理学を専攻。以来、「心理・教育・演劇」の分野で活躍。
日本産業カウンセラー協会認定「産業カウンセラー」有資格者
日本心理学会認定「認定心理士」有資格者
日本心理劇学会準会員
事業の詳細はホームページにて
(検索ワード「こころの宝石箱HP」)

BeanS topバックナンバーVol.25 》島根で頑張る若い力