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すべてがマイペースに過ぎていく日々 忙しさの反動で手に入れたスローなアートフルライフ


小田 幸正 さん(58歳)

第2の人生らしく、マイペースな時間割で営業する『花水木(はなみずき)』。地元食材を活かした創作会席は地域の人に、具だくさんのそばは県外客にそれぞれ好評。実家を改装した店内は、骨董家具から自作の絵やオブジェがレイアウトされた、小田さんの遊び心満載の楽しい空間だ。

■花水木情報ページ
  http://ee-pf.com/shop/hanami.html
 家業を後継するつもりが、一転して飲食ビジネスの世界へ
 小田幸正さんは、3年前に吉賀町(旧六日市町)に帰郷し、実家を改装した和食処『花水木』を経営しながら、趣味の絵を楽しむセカンドライフ実践者。小田さんが吉賀町を出たのは18歳のとき。家業(旅館)の跡継ぎ修行の一環として、山口県の料亭で調理の勉強をするためだったが、ビジネスにも興味を持ったことで一転し、25歳でステーキハウスを始める。目の前で焼いたり、ぽん酢で食べるというスタイルは当時珍しく人気店となるが、それから10年後、多角的な飲食業展開をするため、知人とともに共同経営者としてさらに新たなビジネスに乗り出す。そうして最初の独立から休むことなく働き続けた小田さんは、ビジネスの成功と引き替えに病に倒れてしまう。共同経営が順風満帆に過ぎた10年後のことだった。
 ゆっくりと絵を楽しむために  30数年ぶりの帰郷を決意
 これまでの多忙な生活から一変し、突如静かな入院生活に入った小田さん。病院のベッドに横たわり、「仕事で犠牲にしてきた自分の時間を取り戻したい」と考え始めた矢先に絵と出会う。「レシピで絵を描いたのがきっかけですが、入院中にどんどん絵に対する思いが強くなり、本格的に取り組み始めたんです」。退院後、理想のライフスタイルを実現するため帰郷を決断。また、それは同時に、旅館を廃業し吉賀町で待つ母親のための帰郷でもあった。
絵を通して広がる人と人の楽しい絆  理想のセカンドライフは  始まったばかり
 「夢だけでは暮らしていけないので、長年鍛えた料理の腕を第2の人生に役立てよう」と、吉賀町に戻り、早速手作りで実家を店舗に改装する。メニューは地元食材だけでこしらえた創作会席に和そばがメイン。営業時間も昼は平日2日間のみで、夜は予約オンリー。手描きイラストを入れた箸袋などから口コミで絵の評判も広まり、出張絵画教室も2ヶ所で行うほど、すっかり絵描きライフを満喫している。現在、隣町の七日市公民館の依頼で、地元の子どもたちと競作で壁画を描く予定も進行中とのこと。
 「これからは、自分の喜びがみんなに伝わるような絵を描いていきたい」。忙しさの反動で獲得した第2の人生は、日ごとに小田さんの心身に染みこんでいるようだ。
昔の私は…
山口時代に出店した割烹『花水木』開店記念の一枚です。今の店は、この店名を使っているわけなんです。
BeanS topバックナンバーVol.23 》セカンドライフ