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愛知県名古屋市から
安来市広瀬町に
Iターン

中村一人さん(37歳)
 
personal data
<現在の住まい> 安来市広瀬町東比田
<仕事> 農業
 地元大阪の大学を卒業後、名古屋で社会人のスタートを切った中村一人さん。営業マンとして仕事漬けの日々を送るなか、一冊の環境問題の本と出会い、人生が大きく動き出す。「子どもの頃は『社会が何とかしてくれるだろう』と気楽に考えていて、環境問題は意識の外でしたが、悪化の一途をたどる現状をその本で知り、大きなショックを受けたんです」。環境問題はなおざりに、経済発展だけが重視される世の中。そして、少なからずその一端を担っている自分…。「仕事は面白かったんですが、本当に大切にするべきことが間違っている気がしたんです」。
 疑問を抱えたまま今までの生活を続けるのは不可能と判断し、仕事をやりながら違う道を探し始めた一人さん。その中で、農業の持つ素晴らしさに気付き、その可能性に懸けてみたいと思うようになる。未経験の農業への近道を探す中、情報誌で島根の産業体験制度を知り、まずは“体験できる”この制度に魅力を感じ、島根に来る決意を固める。いくつかの研修・修行を経て、現在の広瀬町東比田に落ち着いたのが6年前。当時交際をしていた小百合さんを大阪から呼び寄せそのまま結婚。その後2人の子どもを授かり、家族の長となり、農業を基盤に独自の活動に取り組み始める。
 「経済発展だけを目的とした人生ではなく、本当に豊かな人生」を追い求めて始まったIターン生活。農業や山間部がもつ、“儲からない、不便”などの固定概念を変えていけたらと思い農業に励む日々を送る一人さん。そんな中、2年前、環境問題の任意団体「すてっぷすてっぷ」を、一人さんの考えに賛同する仲間とともに結成。現代社会に失われつつある、大切なものを取り戻して欲しいと、講演会活動などを精力的に展開している。
ハデ組みも堂に入っている一人さん。背後に鳥取(日南町)県境の頂が連なる高冷地・東比田は、美味しい米作りに最高の環境。  「“大地に帰ろう”をテーマに、“本当に豊かなこと”を伝えていきたいと思っています。行動しなければ何も始まらないですから」と涼しく笑う。一人さんの精神は、人間の本来あるべき姿を見据えつつ、島根の大地にしっかりと根を下ろしているようだ。
 
最初の就職
▼平成4年 22歳
就職を機に故郷大阪を離れ、大手食品メーカーの名古屋支店で社会人の第一歩を踏み出す。
Iターンを決意する
▼平成10年 28歳
偶然購入した環境問題の本と出会ったことで、サラリーマン人生に失望し退職。その後、情報誌で知った産業体験制度を利用して島根へ。
広瀬町へ定住、そして結婚
▼平成11年 29歳
安来市の平野部で1年間、産業体験制度を活用し、農業を体験。さまざまな縁が重なり、標高350メートルという高地に広がる広瀬町比田地区へ。そして就農と同時に結婚、家族に支えられながら独自の道を歩み出す。
現在
農業の豊かさや、自然と共に生きる魅力を伝える任意団体「すてっぷすてっぷ」を結成するなど、独自の活動を展開する。
   
都会の暮らししか知らなかった僕にとって、美味しい水や空気、それに狸など野生動物の多さなど、自然を身近に感じられる島根の環境は、想像を遙かに超える素晴らしさでした。
 
   
東比田のような中山間地の良さをアピールしていきたいですね。寒暖の差が激しいので、すごく美味しい作物が育つんですよ。こういう利点をもっと世間に広めて地域活性に役立てていきたいですね。
 
BeanS topバックナンバーVol.22 》UIターンの先輩たち