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佐藤 吉男さん(45歳)
  真知子さん(58歳)
  「春馬商店」に隣接する「レストランいるか」は、横浜で開店するはずだったお店のデザインをそっくりそのまま五箇で実現させたもの。土地の活性化に熱心な吉男さんは定住相談員としても活躍中。自分たちが有意義に暮らすことで、島の若者たちに夢を与えていくのもひとつのテーマ。
 
地域の憩いの場となる老舗商店と
おしゃれなレストランが目印
 隠岐の島町の玄関口・西郷港のちょうど反対側に位置する五箇地区は、のんびりとした島の風情が残る静かな地域。その五箇で酒類、食品等を販売する「春馬商店」と「レストランいるか」を切り盛りする佐藤さん夫妻。
妻・真知子さんの故郷であるこの地に移り住んだのは10年前。一人暮らしをしていた真知子さんの母親が病に倒れたのがきっかけとなったが、吉男さん曰く「いずれは田舎で生活をしたいと思ってたんです。当時、娘も小学校に上がる前だったこともあり、隠岐で暮らすことを決心しました」。
それぞれの思いがぶつかりながらも 隠岐への移住を決意した横浜時代
  移住前の横浜時代、運送会社で働きながら、調理師専門学校に入学した吉男さんは、クラスメイトとして真知子さんと出会った。それまで隠岐を知らなかった吉男さんだったが、真知子さんの帰省に伴って隠岐を訪れるたびに、隠岐への愛着が芽生えていった。しかし、「最初、家内は帰郷に反対だったんですよ」と苦笑いの吉男さん。お店を持つことを夢に、努力を重ねていた真知子さんは、横浜での独立の夢を捨てきれないでいた。しかし「母親が亡くなってから帰るのは簡単、今帰ってあげるのが親孝行じゃないか?」という吉男さんの言葉に真知子さんも納得、隠岐での生活が始まった。
時間に左右されない自由な生き方 有意義にするもしないも自分次第
 「“五箇時間”というのがあるんです」と吉男さん。約束の時間から約10分遅れるというそれは、のんびりした環境が育んだ独特な生活サイクルで、当初は、その“アンチ時は金なり”的考え方に戸惑いと驚きがあった。「それまでは時間がすべてを支配してましたから」と言う吉男さんも、今ではすっかり五箇時間の実践者。真知子さんの念願だったレストランも1日おきに開け、楽しみの範囲で営業している。ただ、のんびりしているぶん、自分が行動しなければ何も始まらないのも事実。隠岐に来てから、すぐに始めた田んぼ仕事も、土地の人々との距離を縮める効果を生むが、「いかに興味を持ってもらえるかが重要。まずは興味を持ってもらい、会話が生まれる。そして、そこからつき合いが始まる…隠岐はそんな所です」。一家の土台には、確実に“五箇時間”が定着しているようだ。
昔の私は…
横浜に住んでいた頃です。ここでの生活は時間に支配されていましたね。
BeanS topバックナンバーVol.21 》セカンドライフ