http://www.teiju.or.jp  
 
 
埼玉県所沢市から
江津市に
Uターン
                  
佐々木 恵未さん(51歳)
 
personal data
<職場> 島根県江津市嘉久志町
<仕事> 童画家、絵本、挿し絵制作
      http://www.megu-s.com
  絵本やカレンダーなどを中心に創作活動を続ける江津市出身の童画家・佐々木恵未さん。大学時代、ノートの隅に何気なく描いた落書きを目にした友人から、在籍していたフォークソング部のコンサートチケットの挿絵を頼まれたのが、この世界に入るそもそものきっかけ。「絵を描くことに特別な興味があったわけじゃないんですよ、当時は音楽の世界に魅了されていましたから。でもね、自分の描いた絵が印刷されたチケットを手にしたとき、「これだ!私の進むべき道は」って思ったんです」と振り返る。
 すぐに専門的なテクニックを身につけようと、夜間のイラスト専門学校へ入学するが、そこで出会った講師から「自分独特のスタイルを持っている。このまま描きなさい」と助言をもらい、自分では見えなかった天性の才能を発見することになる。大学卒業後、現代童画会での一般公募の一位にあたる「現代童画会賞」受賞を筆頭に、数々のコンテストで入選を重ねるが、仕事の依頼が来ないという悶々とした月日を送る。当時を思い出し「絵を描けば仕事がやってくると思いこんでいたんですね」と苦笑いの佐々木さんだが、26歳のときに開催した初の個展が、さまざまな人々との出会いを生み、徐々に“童画家・佐々木恵未”が確立されていく。
 その後、約20年もの間、関東を拠点にした創作活動を続けるが、7年前、両親の世話や地元美術館との交流を機に、「帰るなら今だ!」という風が吹いていると感じ、江津に戻ることを決意する。
以来、生家をアトリエに改装し、創作活動に没頭する毎日。 「故郷を離れていても、“私は江津の人間”という意識が強かったので、通常のUターン者とはちょっと違う感覚かな?ただ、こちらに戻ってきて、描き始めた頃の新鮮な気持ちが蘇ってきたのは嬉しかった。ここまで試行錯誤してきたけど、自然体で描けている今の生活に自分らしさを感じています」と佐々木さん。
 江津バイパスの壁画や、寺に飾る絵を依頼されるなど、面白い仕事も増えているという。また佐々木さんに新しい風が吹いているようだ。
心が洗われるような優しい色づかいが持ち味。細かく描写された人や建物など、すべてに独自の想像力が注入される。
 
▼昭和51年 21歳
フォークソング部のチケット用挿し絵を依頼され、印刷された完成品を見て絵を描くことを決心。
▼昭和54年 24歳
イラスト専門学校を経て「現代童画会」で1位入賞。プロとしてやっていく決意を固める。
▼昭和56年 26歳
初めての個展を銀座のギャラリーで開催。その後に関わる大切な人々との出会いを生み出す。
▼平成11年 43歳
当時の仕事場(埼玉所沢)と江津を行き来する仕事スタイルにピリオドを打ち、江津へUターン。
故郷での仕事も軌道に乗り、島根県の少子化対策PR用ポスターなど行政関連のイラストも手がける。
   
試行錯誤を重ねてきましたが、結局、自分の本当にやりたかったことが故郷にあったということが分かっただけでも嬉しいし、好きな創作活動をしながら親の面倒を見られるというのも幸せですね。
 
   
特に目標はありません。目の前にあるものを精一杯やるだけです。強いていえば、人の心に残る作品をずっと描いていたいということです。以前はなかったような依頼も増えて、毎日充実しています。
 
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