ミネラルを多く含んだ潮風、島独特の斜面を使った放牧など、数々の条件が複合的に作用し、高品質の隠岐牛がすくすくと成長していく。  
 
隠岐牛で島に新しい活力を
有限会社 隠岐潮風ファーム
 
▼ 隠岐郡海士町

ブランド確立の先に見据えるのは、島の活性化と人材育成
 『隠岐潮風ファーム』の母体、飯古建設が、畜産分野に進出したのは3年前。食肉牛の生産という、異業種に取り組むことなったのは、長引く不況による、公共事業の減少がきっかけだった。「基盤が離島である以上、今後、建設業だけでは厳しいという現状に加え、今まで、公共事業に依存してきたという反省もあり、「これではいけない!」という強い思いが、新規事業へ取り組む活力になった」と田仲社長。そうした熱意をバネに、これからは、その土地に根づいた農業や漁業を企業の力で活性化させることが一番だと確信。また、海士町は、公共農地を民間に貸し付ける、農業特区の指定を島全域で受けている地域。飯古建設の新しい取り組みは、こうした行政支援もクリアすることで、広大な農地の活用が可能となり、いよいよ『隠岐潮風ファーム』が始動する。この新規事業は、当初、繁殖のみの計画であったが、行政の後押しもあり、海士町の豊かな自然環境を生かした、繁殖から肥育までの一貫管理による、“隠岐牛ブランド”確立という、一大プロジェクトに変貌を遂げる。ファーム責任者の奥田取締役は、「ブランド化実現という、当初の計画よりも規模が大きくなった影響で、資金面を含めた運営のペース配分など、苦労も多いが、島独特の自然環境が培った健康的な肉質を含め、人工的な部分と野生の部分が、うまくミックスされているここの牛には自信を持っている」と語る。そして、今春の初出荷を控え、「喜びも大きいが、やはり、初出荷に不安があるのも事実。だが、これが成功することによって、地域の人々に、畜産の面白さを広め、いずれは、このファームを人材の受け皿としても機能させていきたい」と田仲社長。『隠岐潮風ファーム』は、企業の生き残りだけでなく、地域すべての活性化も視野に入れ、待望の初出荷を待ち受けている。


※写真・・・当初、親牛を含め、18頭程度でスタートした潮風ファームだったが、今では肥育牛165頭、繁殖牛70頭もの大所帯に。定時定量出荷が必須のブランド化確立のため、6名のスタッフが、獅子奮迅の働きをしている。

 COMPANY PROFILE
 有限会社 隠岐潮風ファーム
  【設立】 平成16年【代表】田仲寿夫
  【本社】 島根県隠岐郡海士町福井387-2
  【資本金】 4800万円
  【従業員数】 6人
  【事業内容】 和牛生産、堆肥製造
 

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