コンピューター制御による過熱蒸気加工焼成システム。この後、冷凍加工され全国に流通する。従来のガス焼きに較べても味の違いは歴然。  
 
新規設備導入で業界をリード
株式会社 中村水産   ▼ 浜田市原井町

これからは質にこだわった生産効率を高める時代
 水産加工業として30余年の実績を誇る中村水産が、主力を干物加工から冷凍食品に転換したのが3年前。時期を同じく導入した過熱蒸気加工焼成装置の絶大な効果もあり、今や、大手おせち料理メーカーが販売する、詰め合わせ用魚介料理のシェアの大半を占めるなど、冷凍食品分野で 急速な発展を遂げている。
 当時、主力転換の大英断を行った中村勝平社長は、「干物が若い層に受け入れられなくなったというのが、大きな理由です。冷食に移行することで、時代のニーズに対応しようと思った」と振り返る。
 時代の要求に呼応し、より美味しいものを作ることが食品加工業者の本懐とした中村社長は、すぐさま過熱蒸気加工の可能性に賭けた。この装 置は、昨今話題の水蒸気過熱による家庭用オーブンと同じ原理で食品を焼成するもので、ガス過熱より焼成時間が短く、冷えても固くならず、旨味が増すという、まさに冷凍食品には最適のシステム。
 中村水産では、オペレーションの研鑽を重ねた結果、魚の焦げ具合など、細かく設定することに成功。この装置をここまで熟成させた企業は、国内でも少なく、浜田では中村水産のみ。現在、この方式による冷凍食品は市場で絶賛を受け、全国規模でシェアを伸ばしている。
 30年前、サラリーマンから一転、水産加工業に身を投じて、今の規模まで会社を成長させた中村社長は、「昔ながらの手の込んだ製法を見直し、コスト高になっても、地物にこだわり、質の良いものも提供していきたい」と新たに浜田産高級干物の生産工場を増設した。「一年中なんでも食べられるのも素晴らしいですが、旬のものをその期間のみ提供するという、季節感のある商売も大切なんです。やはり、浜田の魚を美味しく味わってほしいですから」と笑う。
 土地を愛し、地物を誇ることから、新たな一歩を踏み出すようだ。


※写真・・・素材の持つ旨味を凝縮した加工食品のクオリティは、徹底した衛生管理と最新技術導入のたまもの。現在、浜田本社を筆頭に、中国に3拠点の大型生産ラインを持つ。今後は、欧州向けの工場をベトナムに構える予定。

 COMPANY PROFILE
 株式会社 中村水産
  【設立】昭和49年【代表】中村勝平【本社】島根県浜田市原井町3050番地33
  【展開】広島営業所(広島市東区)中国駐在事務所(中国浙江省舟山市)
  【資本金】5000万円【従業員数】40人【事業内容】水産加工品製造
  URL http://www12.ocn.ne.jp/~nakafish/
 

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