浜田市弥栄町の横谷集落に、しまね田舎ツーリズムの制度を利用して誕生した、夫婦2人だけで営む民泊施設。
鴻池 勝 さん       『夢楽苦人の家・心舎』
    美恵子 さん
大阪でのサラリーマン生活を経て弥栄村に移住。今年7月には住居兼用で農家民宿『夢楽苦人・心舎』をオープン。マイペースな経営方針と夫妻の人情味あふれるサービスが口コミで評判を呼んでいる。

 「心舎は、あてもなくブラっと遊びに来た人をもてなすところ」と語る鴻池勝・美恵子夫妻。お二人の住まいでもある『夢楽苦人の家・心舎(むらくじんのいえ・こころ)』は、弥栄村(現・浜田市弥栄町)横谷集落にある田舎ツーリズム(農家民宿)の宿だ。
 弥栄との出会いは、さかのぼること8年前、勝さんが地元の大阪駅で偶然拾ったチラシがきっかけ。「“きんさい、秋祭り”やったかな?とにかく味も素っ気もないチラシやったけど、その飾り気のなさに、逆に興味が湧いたのと、“弥栄村”という文字の響きも気に入ってねぇ!」と勝さん。このチラシに何か惹かれるものを感じ、さっそく美恵子さんを伴って遊びにやってきた弥栄に身も心も魅了されてしまったのだ。
 もともと田舎暮らしに憧れ、暇を見つけては移り住む土地を探していた鴻池夫妻。イベントやプライベートで年4,5回と訪れるうち、「ここに住みたい」という気持ちが高まり、勝さんは、ついに勤めていた会社を退職する。「それまでがむしゃらに働いてきたツケがたまり、大病を患って入院したとき、このままではあかん!と思い、田舎暮らしを真剣に考えるようになったんです」と振り返る。そして、8年間の弥栄通いで交流が深まっていた、地域活性化を推進する「NPO法人ふるさと弥栄ネットワーク」の支援もあり、去年5月、念願の弥栄への移住を果たした。
 「田舎暮らしの必須条件は、カルキの入らない水が飲める所。そういう意味でも、ここは完璧!」。かつて庄屋屋敷だったという心舎のある横谷集落は、水道設備も届かない、標高500メートルにある山奥の小さな集落で、生活には地下水や山の湧き水を利用するという、まさに夫妻にとっては念願の場所。そんな好条件の元、悠々自適なのんびり生活をおくるつもりだった夫妻は、移住当初、予想もしなかった農家民宿を始めることになる。
 「お年寄りが多いから、お弁当でも作ってあげたら喜ばれるかな?くらいには思っていたんやけど」と美恵子さん。宿や食事するところが少ない弥栄の現状や、勝さんの調理師資格など、宿を始めるためのピースが必然的に揃い、さらには、田舎ツーリズムによる、民泊の規制緩和といった追い風もあり、今年7月、夢楽苦人・心舎がスタートした。
 昼の食事と一週間に一組の宿泊を完全予約制でサービスする心舎は、口コミで評判が広がり、オープン2ヶ月で宿泊利用者が40人を越えた。「本当はこんなに忙しくするつもりはなかっ たんやけどなぁ」と笑う勝さんだが、心舎を始めたことで、大阪時代には経験出来なかった交流の広がりに感謝している。そんな心舎流のもてなしは、農業体験など型にはまったものはなく、共に食べて飲んで語らいながら、農家の生活を満喫してもらうことにある。「人間は、よい水と土と太陽があれば生きていけるということを伝えていきたい。弥栄には、それらすべてがあるんです」と語る二人は、かつて自分たちがそうであったように、心舎に訪れる人たちに、弥栄の魅力を伝えていきたいという。
ゆうな鴻池流    
料理
横谷集落の眺め
石見神楽
地元食材と、新鮮な魚を素材に、手間暇かけた料理で、おとずれた人たちをおもてなしています。自慢の料理と美味しい弥栄の地酒を片手に囲む、心舎の団らんのひとときをぜひ味わって欲しいです。 横谷のなだらかな里山景色は、四季を肌で感じることができます。中でも、霧の出た朝の眺めは、とても幻想的で、最初に見たときは本当に素晴らしくって、時間を忘れていつまででも見ていました。 最初は「かぐら」という読み方さえ知らなかったんですが、ここに住んでみて、改めて体験した石見神楽に魅了されてしまいました。物語の面白さや、演者と観客それぞれの熱い思いが胸に迫ります。
 
     
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    島根県西部(石見地方)で「ゆっくりと、ゆったりと、落ち着いて」などの意味合いで活用される方言の「ゆーな」(出雲地方ではおちらと)「島根でゆーなライフ」では、島根の町や文化、自然と調和しながら生活を楽しんでいるグループや人物を紹介するコーナーです。
 
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