「極力、手を加えないようにした」というだけあり、木のぬくもりと香りが心地よい。読書をする夫婦連れや、観光客で静かな時が流れていた。  
  (鉄の歴史)        (吉田)
文化を活かし、まちを生かす
株式会社鉄の歴史村  ▼雲南市吉田町

住民主導で熱い気持ちの まちづくり
 雲南市吉田町(旧吉田村)は、重要有形民俗文化財「菅谷高殿」を中心に、日本古来の製鉄であるたたら製鉄によって育まれた歴史と文化を持つ町。昭和61年には当時の村全体を鉄の博物館にしようとする『鉄の歴 史村』構想で、一躍全国の注目を集めたことでも知られている。そして現在、平成の大合併で吉田村がなくなり『鉄の歴史村』は地域住民自らのまちづくりのため、株式会社として歩みを始めた。「今までやってきた『鉄の歴史村』が約20年という歳月で眠った状態になっていましてね。それをもう一度、今度は住民主導で街並みの整備 や、施設同士の連携を見直して交流人口を増やそうと。お金を出す、さらには知恵も労力も提供して地域の後継者を残していくことを目標にしています。だけど、直接の見返りは求めない(笑)。そんな熱い気持ちで、みんなで盛り上がって行きたかった」と藤原洋社長。さっそく遊休施設だった古民家をツーリズムの宿「若槻屋」、山里かふゑ「はしまん」として改装し、営業を開始。また13を数える各々独立した鉄に関する文化施設をまとめる『鉄の歴史村交流推進会議』を発足。吉田町でのグリーン・ツーリズムの企画作りのほか、特産品の開発や農業体験、ギャラリーの開設と作品の販売などの事業も進行中だ。さらに都市部からはインターンシップを受け入れ、積極的な情報交流も考えている。「周辺の商店や空き家を利用して、新たにそこで何か始めようというU・Iターン者に対して協力し、みんなで吉田町を作っていこうというのも願いの一つです」。  伝統文化を活かした住民主体のまちづくりは始まったばかり。されど『鉄は熱いうちに打て』とばかりに新たな試みに地域全体が燃えている。


※写真・・・行政の持ち物であった旧庄屋を貰い受け改装、新たな吉田町のまちづくりの拠点となったツーリズムの宿「若槻屋」と山里かふゑ「はしまん」。田舎の心からのおもてなしが評判だ。

 COMPANY PROFILE
 株式会社鉄の歴史村
  【設立】平成16年3月【代表】藤原洋【所在地】島根県雲南市吉田町吉田2566
  【電話番号】0854-74-9055【資本金】2700万円【従業員数】34人
  【事業内容】鉄の歴史村の文化施設を利用した学術文化交流・ツーリズムの宿、
          町の特産を生かした創作体験サービス
 
 

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