埼玉県蓮田市→邇摩郡温泉津町にIターン
山口 竜馬さん(34歳)
 
    personal data
〈出身地〉広島県福山市〈仕事〉若林酒造※好きな酒の肴は珍味系とのことで、特にホヤやこのわた、鮎のにがうるかなどがお好みとのこと。
 
       
創業明治2年。100年を裕に越える歴史ある酒蔵、若林酒造(有)。『開春』は丁寧な仕込みで島根の銘酒のひとつだ。

「大学の時に鳥取にいたこともあって、山陰の、この日本海側の雰囲気が好きだったんです。特に埼玉で海がないのがつらくて、山陰に帰ってきたかった。そんな中で出会えたのがこの若林酒造(有)でした」と何ともうれしい話をしてくれた山口さんは、ふるさと島根定住財団の産業体験事業助成金制度を利用して埼玉県蓮田市からIターン。7年目を迎えるこの冬からは銘酒『開春』の杜氏として一本立ちが決定!
  「今は日本酒業界が大変な時なんで頑張らないと。お客さんの趣向が多様化してきて、日本酒づくり自体もいろいろ作業が細かく増えてきて大変になってきました。だけど、その中から間違いないお酒を出さないと。責任重大です」としっかりと、この若林酒造を背負う立場となっているのだ。
  しかしその仕事も家族の理解を得られたのはここ最近。というのも「最初に内定をもらった企業の仕事に興味がもてなくて断ると、広島からわざわざ親が叱りに来たりして、関係が悪くなっちゃいました。3年前に自分の名前のついた酒を出せるようになって、やっと仕事については認めてもらえたかなと。でも人間的には結婚をしていないんでまだまだみたいです(笑)」。それも日本酒づくりが楽しくて他所に目が移らなかったから。「お見合いの話なんかもよくいただいているんですけど、いつもタイミングが悪く忙しい時にくるんですよ。で『今はそれどころじゃないから』とお断りしているうちに…」
  温泉津の町を「海と山と温泉があって、よく時間が止まったような街とは言われますね」と紹介してくれた山口さん。それに『いい酒もあるから生活するには最高ですね』と声をかけると、照れながらも力強く「頑張ります」と一言。ああ来年の春が待ち遠しい。


※写真右上・・・ネットなどでも評判の高い「開春竜馬」。自分の出したい味を限られた条件の中で作り出すのも楽しみの一つ、とのことだ。

※写真左下・・・冬は住み込みで酒造りに没頭する。正月に出される岩のりの入ったお雑煮がお気に入り。
<UTターンまでの流れ>
(平成6年)鳥取大学農学部農林総合科学学科を 卒業後、「大好きな日本酒づくりができたら」という 思いで埼玉県蓮田市の地酒の蔵元に就職。
(平成10年)会社の流れ・周りの評価・自分の やりたいことなどにギャップを感じ、退社を考えるように。 東京に販路のある地酒の蔵元を中心に転職を考える。
(平成11年)学生時代を過ごした山陰に戻りたいという 思いを現実にするため産業体験事業助成金などの 活用ができる温泉津町の若林酒造(有)に体験入社。
(平成12年)産業体験を終えて若林酒造に入社。 正式に温泉津町にIターンを果たす。
>>アドバイス
ご近所さんとは仲良く
まずは挨拶。行事には必ず顔を出すことです。この狭い街でも人となりがかなり違っているので、ちゃんとコミュニケーションをとっていきましょう。
>>不安と解決のためにしたこと
●不安だったこと ●解決のきっかけ
何のツテもない中、知り合いができるか ひとり友達ができれば大丈夫でした。友達が友達を呼んで、ひとり友達ができるとその友達がまた友達になるみたいな感じで増えていきました。でも結構個性的な仲間ですけどね。そういう意味では埼玉とは違って本当の意味での友達が今こちらではいますよ。まぁ飲食店がないのが幸いして、よく友達の家で飲むことが多いのが良かったのかも。


BeanS topバックナンバーVol.17 》島根で暮らすUIターンの先輩たち