宍道湖七珍

湖水にぽっかりと浮かぶ嫁が島。その嫁が島に沈む夕景の美しさが、日本3大夕景のひとつに数えられる宍道湖。晴天の風のない日には、海のように青く穏やかに広がり、冬の、今にも泣き崩れてしまいそうな日には、鉛色の湖面に白い三角波が押し寄せる。周囲約47キロの宍道湖周辺に暮らしを営んできた出雲地方の人々は、そうした自然美のみならず、絶品の味覚の恩恵にあやかってきた。  宍道湖は、日本海と中海の水位の差が少ないために、潮によって中海から塩分が入り込む汽水湖だ。淡水と海水が混ざり合うために魚介類が豊富で、人々は季節ごとに湖の味覚を堪能してきた。 その代表格として昭和5年に選ばれたのが、「宍道湖七珍」と称されるスズキ、モロゲエビ、ウナギ、アマサギ、シラウオ、コイ、シジミ。このほかにも、ゴズやアカガイなど、候補はたくさんあったらしいが、論議の末に7種に決定。今も、郷土の伝統料理として食卓に登場する。 晩秋から初冬にかけてのスズキの奉書焼き、晩夏から秋が旬のモロゲエビの素揚げ、夏バテにはもってこいのウナギの蒲焼き、1月から3月が旬のアマサギの照焼、春を知らせるシラウオの酢味噌、冬が旬のコイの糸づくり、肝臓によいとされるシジミの味噌汁など、豊かな湖の食材が、郷土の暮らしを彩ってくれるのである。
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