- ふるさとの手紙 石見の国の秋だより -

千晴お姉ちゃんへ

このごろ、急に冷え込むようになったけど、元気でやっとるかね?
益田の今年の夏はとても短くて、あっという間に、秋が来たという感じです。おばあちゃんは10月に入るとすぐにコタツをお母さんに出してもらい、朝晩は、肩までぬりこんで注)好物の羊羹を食べとるよ。 山の景色も、もうすっかり秋から冬への準備をしている感じ。匹見峡の紅葉も、きれいだと同じ看護学校の友達が言うとったよ。秋祭の神楽も賑やかだったしね。 お母さんは、相変わらず忙しくて、あちこち出かけとるよ。この間は、大好きな元NHKアナウンサーが、第3回徳川夢声市民賞を受賞したのを記念しての講演があって、それに行って、るんるんで帰ってきたよ。その日だけは、言葉がえらいきれいだったけど、翌日からは、また、いつものお母さんでした。
お父さんは、日原のおじさんにツガニをもらって、得意のみそ汁を作ってくれたんよ。ほら、生きたまんまをすり鉢でつぶして、それを汁にしたやつ。これって、最高!ほんと、「おやじの味」だよね。お姉ちゃんも大好きだったよね。こっちで就職すれば、食べられたのにね。高津川のアユは、冷夏のせいで今年はあまりよくなかったらしく、日原のおじさんは嘆いていたみたいです。
でも、特産のアールスメロンやぶどうは、あんまり影響がなかったらしく、JAに務めてる陽子おばさんが持ってきてくれたけど、甘みたっぷりですごく美味しかったよ。今度、好物の干し柿を送るね。ほら、西条柿の干し柿「まろ柿」。あれ、美味しいよね。それと、鶏卵饅頭。懐かしいでしょ。いつだったか二人で鶏卵饅頭の大食い競争したことあったよね。秋は太るなあ。 ところで、今度、私、オーディション受けようと思うとるんじゃあ。石西県民文化会館で、毎年、市民ミュージカルやっとるでしょ。それ。今年の春には、益田市出身の脚本家が書いた「扉の向こうに」を、東京でも公演したんだよね。そうそう、お姉ちゃんも観に行ったって言うとったよね。来年は「愛と地球と競売人」っていう、環境をテーマにしたミュージカルをするんだって。それで、そのスタッフ募集があるんで、挑戦してみようかななんてね。でも、その前にダイエットせんとね!高校演劇をやってたくらいじゃ、合格せんかな。乞うご期待!また、結果を知らせるけえね。
じゃ、お姉ちゃんも頑張ってね。都会での一人暮らしは、これから寂しいと思うけど、ワルい虫に引っかかりんちゃんなよ!ふれーふれー!千晴!
注)ぬりこんで=すっぽり入って

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鶏卵饅頭
益田駅前の道路沿いで、半世紀もの間市民に親しまれている鶏卵饅頭。ガラス越しに、主人の饅頭を焼く様子が見られ、店内は、卵たっぷりの甘いカステラの香りでいっぱい!思わず、あつあつのをほおばりたくなります。
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都市計画街路事業
中島染羽線

JR益田市駅前の道路中島染羽線は道幅が狭く、また、駅前の再開発によって賑わいと活力のある都市空間を誕生させようと、平成9年度から1700メートルの区間(栄町〜有明町)駅前再開発事業が進められています。この事業によって、益田駅周辺が生まれ変わろうとしています。
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徳川夢声市民賞
大正から昭和にかけて活躍した益田市出身の活弁士。絶妙な間で聴く人を魅了し、トーキーが出現してからは舞台、映画、ラジオ、テレビで芸能人として活躍しました。益田市では徳川夢声の功績を讃え、平成13年に徳川夢声市民賞を創立。平成15年には加賀美幸子元NHKアナウンサーが受賞。これまでに、小沢正一さん、中村メイ子さんなどが受賞されています。

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