- ふるさとの手紙 隠岐・島前の夏だより -
達也 元気か

こっちは、母さんも志帆も、じいさん、ばあさんもみんな元気にしとっわ。今年の夏は、がいに暑くて、島も賑わっとる。 三年前に、西ノ島の美田にあるB&G海洋センターに、新しくダイビングもできるマリンスポーツの設備ができたけん、今年の夏場は、えっと都会からの若い者の姿が多いわ。おまえも、もぐることは得意だったけん、関心あっだらあ。 隠岐の海は、どっちかっていうと地味だども、ブリやタイの群に見応えがあって、よその地域にない面白味があっとやあ。
母さんは、ここんとこホテルのパートに出とって、忙しくしとっわ。7、8月が隠岐の観光の稼ぎ時だけんな。 志帆は志帆で、反抗期なのか、父さんのことなんか無視しとっわ。携帯のメールだかなんだか知らんけど、話しにならせん。達也からも、たまには声をかけてやってごせ。いろいろと進路でも悩んどるみたいだし。海士の高校に行くか、本土の高校に進学するか…。 いずれは、二人とも隠岐に住んで欲しいと思っとるのが父さんたちの本音だけんども、一度は島から出るのも、いい経験だわ。
そういえば、今年は由良の大祭があって、相撲に本家の祥一が出て優勝しとったわ。あれは体もがいなし、力もある。御輿担ぎも賑やかで、ええ祭りになったわ。今ごろは、若いもんがおらんなって、担ぎ手が足りんくなっとおわ。達也も、また御輿担ぎに出んかえ。
話しは変わっけど、そろそろ、漁師を継ぐ気にはならんかえ?海は、いいど。もちろん、捕れん日も嵐の日もある。そっでも、漁師の仕事は男の仕事だ。大漁の魚の群に出会ったときは、胸が躍る。仕事が終わった後の酒はうまいし、ある程度、自由もある。じいさんも、それを望んどるようだわ。今ごろは養殖業も盛んで、岩ガキの養殖をやっとる知り合いもおる。これからの漁業や島全体を支えていくのは、やっぱり、おまえらだわ。そろそろ、考えてごせ。
島は、ええぞ。友達でも彼女でも連れて帰ってこいや。海の色や国賀の風景は、何も変わっとらん。タイ、ブリ、カキ、サザエ、アワビ、イカ、何でも用意してやっと。母さんも待っとおけん。ばあさんも、暑い夜に腹だして寝てるんじゃないかって、心配しとる。 たまには、電話もしろ。体に気を付けろ。とくに食あたりにはな。

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ばくだんおにぎり
直径約センチ近くもある、まんまるのおにぎり。醤油をたっぷり塗った岩海苔1枚でくるんだ姿はまるで真っ黒な爆弾のよう。家庭によって昆布やウニなどの具が入っていたり、何にも入っていなかったり。暑い夏おもいっきり泳いで腹が減ったときにかぶりつく「ばくだんおにぎり」は、隠岐の子どものお袋の味だ。
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都市計画街路事業
中島染羽線

JR益田市駅前の道路中島染羽線は道幅が狭く、また、駅前の再開発によって賑わいと活力のある都市空間を誕生させようと、平成9年度から1700メートルの区間(栄町〜有明町)駅前再開発事業が進められています。この事業によって、益田駅周辺が生まれ変わろうとしています。
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徳川夢声市民賞
大正から昭和にかけて活躍した益田市出身の活弁士。絶妙な間で聴く人を魅了し、トーキーが出現してからは舞台、映画、ラジオ、テレビで芸能人として活躍しました。益田市では徳川夢声の功績を讃え、平成13年に徳川夢声市民賞を創立。平成15年には加賀美幸子元NHKアナウンサーが受賞。これまでに、小沢正一さん、中村メイ子さんなどが受賞されています。

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