細工蒲鉾(祝い蒲鉾)

出雲地方は大社町や平田市などが日本海に面し、海の幸に恵まれている。春から初夏にかけてはアゴ(トビウオ)がシーズンで、新物のアゴ野焼きや蒲鉾が家庭の食卓にも上る。
蒲鉾といえば、出雲地方には細工蒲鉾を祝い事に使う風習がある。松竹梅、鯛、マツタケ、エビ、木槌、末広と、色とりどりに並ぶ細工蒲鉾は、飾り蒲鉾、祝い蒲鉾とも呼ばれ、祝いの膳を盛り上げる。特に結婚式というと、折り詰めにたくさんの蒲鉾がずらりと勢揃いし、近所にも縁起物としてすそ分けに配られたりする。
中でも、大社祝い蒲鉾は明治時代に浜田市の賀川氏から技法が伝承されたという逸品。日本海の新鮮な魚肉をたっぷりと使い、味はもちろん、美しさといい群を抜いている。
その製法は、台付けと呼ばれる新鮮な魚肉の白い生地の上に、作りたい図案を頭に思い描きながら口金の先を巧みに動かし、色を替えながら一気に仕上げていく。そのみごとな手さばきは、まさに伝統の技そのもの。ほかの地域では類を見ない郷土色豊かな手作りの作品となっていく。
目で楽しみ、味わって旨い祝い蒲鉾は、今も特別な日のために、出雲地方でこつこつと作り続けられている。
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