- ふるさとの手紙 雲州の春便り -
信太郎、元気か?

俺は、春に田舎に帰って、もうすぐ2カ月だ。帰ろうか帰るまいか、随分、迷ったけど、長男だし、商売やってる親父や体の弱いおふくろのことも気になって、やっぱり帰ることにした。
昨年、平田が舞台になった映画「白い船」を東京で観たことも、帰るきっかけになったかもしれん。 田舎のテンポに最初は馴れなかったけど、やっぱり、そこは生まれ育った土地だよな。今では、すっかり雲州平田(ふらた)の人間だ。 家は商売してるけど、とりあえず地元の企業に就職して、新社会人として頑張ってるよ。 しかし、田舎は本当にいいよ。渋滞は無いし、山も海も湖もすぐ近くにあって、アウトドア派(自称)の俺には、うってつけかもしれん。高校卒業するまでは分からんだったけどな。こんなにゆったりした自然が身近にあることなんて。
この間、平田の海でやってる「ひらたフィッシングゲーム」に参加したんだけど、船釣りが手軽にできてよかったよ。ほら、小学校のとき、よく十六島まで自転車で行って釣りしたよな。今思うと、よくあんなところまで自転車でって思うけど。夏がシイラやイカ釣りで、今はアマダイや真鯛がいける。 実をいうと、アマダイの45センチが釣れたんだ。45センチだぞ!引きの手応えといい、竿のしなり具合といい、信太郎にもその様子を見せてやりたかったよ。興奮して鼻血がでるかと思った。今度、魚拓みせてやるよ。釣具屋のおじさんにとってもらったけん。 でも、平田の海って本当にいいよな。ダイナミックで。やっぱ、あれが海だわ。
そういえば、この間、健太とぶらぶらしてたら高校時代に一緒にバンドやってた恵美や綾子と町でバッタリ会ってさ。ドライブがてらに斐川のチューリップ畑を見に行って、その脚で9号線を走って、「キララ多伎」で久々に海鮮たこ焼きを食べた。やっぱ、まいわ!信太郎が好きな海鮮ラーメンもいちじくのアイスも健在だったよ。 恵美も保育士として地元の保育所に入ったらしい。新しく保育所の乳児棟ができて、保育士の増員があったからラッキーだったって。綾子は、見たり触れたりできる科学の体験施設で、「出雲科学館」っていうのが出雲市にできて、そこで働いてるって。こっちもいろいろと新しい施設ができたりして変わってきてるみたいだ。
変わったといえば、出雲市内の道も9号線バイパスが開通してる部分があったり、道路の近辺にイタリア料理や中華料理の専門店が新しくできたり、結構、おしゃれな店があるよ。 今度、信太郎が帰ったら、一緒に行かこい!案内しちゃーわ。
今度、姉貴が結婚するんで出雲大社まで行くことになってるし、信太郎にも彼女ができるように、拝んどいてやるけんな。お守りでも送っちゃーか?ま、パソコンばっかりやってるようじゃ、効き目ないかもしれんけどな。 とにかく俺は、田舎で頑張る。信太郎も、がんばれよ。でも、帰ってきたくなったら、いつでも帰ってこいや。 とにかく、盆には飲みに行こうや!!

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大社町のぶどう
(デラウェア)
大社・出雲は西日本有数のブドウの産地。いわゆる種無しブドウのデラウェアは、甘さも格別で食べやすく、子どもからお年寄りまで人気の果物。今年も4月の中旬から、連なるビニールハウスの中で早出のデラウェアの収穫が始まった。今年の出来はとくに良くて、糖度も20度以上とか。6月初旬が出荷のピークだ。
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キララトゥーリマキ
風力発電所

地球温暖化防止、環境問題に適応した風力発電所が、平成14年に多伎町のキララトゥーリマキ公園に設置された。発電量は年間約280万Kwhで、町で消費する電力の7分の1。巨大な白い羽が突如として国道9号線から視覚に入り、驚くドライバーも少なくない。多伎町に吹く海風を有効に活用した、新しいシンボルの誕生だ。
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ひらたフィッシングゲーム
数年前から平田市で始まったフィッシングゲームは、平田市の近海で楽しめる船釣りのこと。日本海は冬場は荒れる日が多いので、春、夏、秋がおすすめだ。特にシイラ釣りは大きさもあって釣り応え抜群。5月ごろは鯛やアマダイ、7月から10月まではシイラ、夜のイカ釣りは6月中旬から10月。道具もレンタルできるので、誰でも気軽に釣りを楽しめるのがいい。

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