- ふるさとの手紙 奥出雲の冬景色 -
- 孝治、元気?

実家のお母さんが、「今年の正月は孝治が帰らんだった」って、寂しがってたよ。 姉ちゃんの嫁ぎ先は同じ雲南でも山の中だけん、雪が30センチばかり積もって、正月早々、雪かきが大変だったわ。そっちも寒かったげなね。テレビで言っとった。でも、昔に比べたら雪も少なくなったわ。昔は、よくかまくらを作ったり、裏山で竹スキーで遊んどったのにね。
実家のお父さんも元気でね。今年も元旦に「獅子舞」して、近所を歩いたって。 ほら、復活して、もう40年になる地区内の家を回る正月行事。「頭を噛んでもらうと頭がよくなる」って言われて、孝治は、何回も噛んでもらってたよね。お父さん、保存会の中では最高齢者だって。もう70を越したもんね。「孝治が、戻らんかいなあ」って、お母さんによく言ってるみたい。腰や膝も痛いらしいし、何か寂しいよね。
そういえば、姉ちゃんも今年で42歳。同級生の男子たちは厄年でね。うちは子どもも小さいが。普段、年なんて忘れてるし、もう、そんな年齢かと我ながらびっくり。それで、正月に熊野大社でお祓いをしてもらった後、海潮温泉で同窓会したけど、やっぱり幼友達は何歳になってもいいもんだね。会うと、まるで兄弟みたいだわ。これも、田舎の小規模校に通ったもんならではかな。 孝治も、こっちが安心して暮らせるんじゃない?都会での暮らしは、あっさりしとって、またいいかもしれんけど、年とるとね、やっぱり故郷がいいよ。なんぞかんぞ。それに結婚も、早いがいいよ。姉ちゃんみたいに、40になっても、まだ子どもが2歳だ3歳だっていうと大変だわ。早こと田舎に帰って身を固めて、お父さんやお母さんを安心さしてあげるだわ。
なんて、また説教がましくなると、途中で読んでもらえんやんなるけん、まあ、この話しはこのくらいにして。ところで、この冬は、琴引フォレストパークへスキーに行ってね。子どもも一緒にスキー場の近くに泊まって、楽しんだわ。もちろん、ダンナがスキーで、私は子どもたちとソリ遊び。帰りには赤来和牛のステーキを食べたりして、ちょっと、贅沢したわ。 最近は国道54号線沿いに、「道の駅」が3つもできてね。お土産を買ったり、休憩にも便利だよ。
帰りには従兄弟の健ちゃんとこに寄ってお茶よばれたんだけど、今度、お嫁さんと子どもが、「ありのままとウキウキ」っていう音楽劇にでるんだって。地元の文化ホールのビリオネア大学っていう活動に参加してて、お母さんが衣装部で、娘の綾ちゃんが歌劇部。親子でいいがあ。2月22、23日が公演で、チケット買ったけん、みんなで行こうかと思っとるとこだわ。
孝治も、そのころに休みがとれたら帰らんかね。正月に帰れんだったけん、どっかで休みもらうだわね。実家の梅林も見頃だし。そろそろ冬も終わって、ふきのとうの芽も出てきとるかもしれん。お母さんが、きっと「ねり梅」を作って待ってると思うよ。熱々の御飯に添えて食べると、何杯でも食べられたが。帰ってくるだわ。待っとるけん。風邪、ひかんやにね。
平成15年2月                  

姉より

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練り梅
三刀屋町は梅の産地。2月の末ごろには、山里に白い花が、香しい匂いとともに浅い春を告げます。その梅は、初夏に塩漬けにしてシソで赤く染められます。そして、種を取り除き、刻んだものに砂糖などの調味料を加え加熱しながら練ります。甘酸っぱい梅の味覚が食欲をそそり、熱いご飯に添えたり、お茶請けに最適です。
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三刀屋木次
インターチェンジが完成

平成15年春、松江・尾道自動車道の松江−三刀屋間が工事を完了し、開通。これによって三刀屋木次インターチェンジが完成し、松江までの所要時間が20分と、約10分の短縮。地元の発展と活性化が期待されています。予定されている尾道までの工事も待たれているところです。
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奧出雲の焼きサバ
奧出雲地方の郷土料理の代表選手。大型のサバを丸ごと1本姿焼きにしたもので、炭火で焼いたものは、特に香ばしくて美味。これを、ほぐして五目寿司に入れる「サバ寿司」もふるさとの味覚です。 昔から海に遠かった奧出雲には、こうした焼き魚や塩魚の食文化が伝わっています。

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