松江土建 株式会社
 
形に見える町づくりと共に無色透明な“水”を通して環境保全への貢献を目指す
株式会社 石見銀山生活文化研究所
●創業/昭和19年 ●資本金/3億円 ●従業員数/173人
●住所/島根県松江市学園南二丁目3-5 TEL.0852-21-3521 FAX.0852-31-3029
米子営業所/鳥取県米子市河崎3309-20
[会社概要]○土木・建築・下水道・トンネル・舗装、農業集落排水処理施設工事など建設業全般 ○水質浄化事業 ○不動産の開発・取引・管理 ○スポーツ施設の経営・管理/他

河川・湖の生態系を守る水質浄化と産業排水を健全に再生する技術
平成13年11月、くにびきメッセで開催された『第3回 夢・人・技術ふれあいフェア』では、島根県内の企業およそ60社が開発した加工・環境技術が一堂に会した。環境をテーマにした展示スペースでひときわ注目を集めたのが、水中に大量の酸素を入れることができる“高濃度酸素溶解装置”と、鉄の電気分解を利用して鉄イオンを溶出させて水を浄化する“電気分解装置”の二つ。これらを開発したのが、建設業を営む松江土建(株)だ。もちろん、この技術はまだ製品化されていない。ビジネスとして成り立たせるためには、コストなどクリアしなければならない問題が山積みだ。しかし、開発に着手してから1年あまり。大学や行政など様々な分野から高い評価と関心を得るに至っている。
松江土建(株)は、昭和19年に創業された総合建設業のパイオニア。道路・トンネル・橋・病院・学校の建設や上下水道施設工事など、地域社会の基盤づくりを手がけて信頼を築いてきた企業だ。今では、土木・建設分野での実直な企業展開を足がかりに、次世代をにらんだ新事業への進出を図っている。
そのキーワードは、〈環境〉だ。「新事業というと、自分たちの得意・関連分野の中からアイデアを出すことが多いけれど、僕は未知の分野へチャレンジしたかった」と、語るのは稲塚社長。平成12年に発足した環境部で陣頭指揮をとる“言い出しっぺ”である。

好奇心と産・学・官の連携が、企業の新技術開発のフィールドを広げる
大橋川・佐田川・神西湖、そして宍道湖。ふるさとの河川や湖は、生態系の保護という課題を抱えている。特に宍道湖は、中海の海水が流れ込む汽水湖として名高いが、塩素が強く酸素の量が年々低下する傾向にある。もし、湖水の中に大量の酸素を連続的に入れることが可能になると、水中の生物たちも生き生きと生息でき、水質も浄化される。稲塚社長が目指しているのは、そこだ。「九州のベンチャー企業が開発した技術を知ったのが最初のきっかけ。その企業やほかのメーカーと共同開発して、さらにバージョンアップを図っています」。
環境部のスタッフは現在7名。まだまだ手探りの日々は続く。しかし、稲塚社長は、県の産業技術センターや産業振興財団のアドバイスを真摯に聞き入れ、島根大学の教授陣などその道の専門家の指導を積極的に仰いでいる。「社員には“知ったかぶりをするな”と強く言っています。私自身、大学を中退して挫折感を感じていたけれど、縁有って入社した会社で無我夢中に勉強してきた。ゼロからのスタートは、謙虚に周りから教えてもらうのが一番!」。新事業は、研究室での実験から河川・湖といったフィールドでの実践へとステップアップしている。
大手電機メーカーとのジョイント、大学・行政との共同研究と、松江土建(株)の新事業は、産・学・官の連携によって大きな可能性と夢を持って着実に形になろうとしている。

[稲塚 公郎(いなつか きみお)代表取締役社長(64歳)
昭和12年富山県生まれ。勤務医の父親の異動に伴い幼少時から松江市に定住。県立松江北高校を経て慶應義塾大学工学部中退。27歳で帰郷し、昭和40年に松江土建株式会社に入社。平成12年、代表取締役社長に就任。一人娘を嫁がせたばかりで、母・妻との3人家族。趣味は囲碁。日本棋院松江支部の副支部長を務める。

トピックス9号線沿いの『しんじ湖ボウル』の一階は、
環境事業の梁山泊!?
アメニティー・スクエアとして人気の施設、しんじ湖ボウルのオーナーは、松江土建(株)。実は、この建物の一階事務所に、環境部の研究施設がある。裏手にはすぐ宍道湖の湖岸が広がっていて、水質調査など細かいデータ取りができるなど、ロケーションは抜群だ。東京の横河電機との共同研究も、ここで進められている。また、研究室の窓辺は夕日鑑賞の“特等席”。美しさを間近にすることで、研究スタッフの自然保護への情熱もますます高まっている。
株式会社 石見銀山生活文化研究所
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