松江エルメック 株式会社
 
高速化が進むハイテクノロジーに欠かせない高度な技術
外谷製紙 株式会社
●設立/昭和60年 ●資本金/2000万円〔エルメック(株)100%出資〕 ●社員数/70名
●住所/島根県松江市朝酌町字土取1159-1 TEL0852-39-0615 FAX0852-39-0614
[会社概要]○超高速遅延線(ディレイライン)の製造

世界中のエレクトロニクスメーカーから信頼される1兆分の10秒の技術
1cm弱四方の中に、約50個のパーツが納められた小さな電子部品。これが、日々高速化が進む半導体(IC)にとって不可欠な、超高速可変遅延線(ディレイライン)だ。到達時間がまちまちの電気信号をそろえる部品のことで、分かりやすく解説すれば、テレビの映像と音声のズレを防ぎ、画面を見て聞く私たちに違和感を感じさせないように早く届いた信号を遅く届く信号に合わせるようにタイミングをとり、同時に信号を受けるという役割を果たすものだ。しかし当社の遅延線はさらに高速で、日常生活ではイメージできないような1兆分の10秒までタイミングを調整できるという優れた性能を誇り、人工衛星のコントロール装置や高速コンピューターなどにも採用されている。また年々生活に浸透しつつあるIT分野の中で、光通信や画像処理の高速化に欠くことができない部品なのだ。
この遅延線の開発・生産・販売をトータルに手がけているのが、神奈川県に本社を置くエルメック株式会社。昭和57年に大手のコイルメーカーをスピンアウトした5人の技術者たちが立ち上げ、その技術力を評価した通産省(現経済産業省)のベンチャー支援を受けて国内では60%以上の販売シェアを持ち、海外の最先端エレクトロニクスメーカーからも圧倒的に高い評価を受けている。設立から11年、5人の技術者たちは一人も欠けることなく、その技術力と経営手腕で業界をもリードし続けている企業なのだ。
そのエルメックが開発した世界的品質の超高速遅延線の生産拠点となっているのが、松江エルメックだ。曽田代表取締役は、会社設立メンバー5人のうちの一人である。

市の誘致企業として松江市に進出 地元に貢献できる企業でありたい
松江市郊外に位置する朝酌町。小鳥のさえずりが聴こえる緑豊かな小高い丘の上に松江エルメックの社屋はある。建物の中に入るとやわらかい日差しが心地よく感じられ、明るい雰囲気に満ちている。「松江市に生産拠点を置くことに決めたのは、私が松江市の出身だったから」と曽田代表取締役自ら案内してくれた。「直射日光が入らず、それでいて一日中明るいのは、建物が磁石の方位どおり東西に走っているから」と語り、社屋の設計にも積極的に関わっている。社員に気持ち良く仕事をしてもらいたいという思いが表れているようだ。精密電子部品の製造現場とはいえ、どこかリラックスできるような雰囲気の中で、社員たちが真剣な眼差しで仕事に取り組んでいた。
「私が学生時代のころ、就職はふるさとでと希望しても受け皿が無かった。いつかは自分で会社を作ろうと長い間をかけてイメージングしていたことが、カタチになりましたね」。生産コストを下げるために海外へ進出するということはしたくない。「製造業が育つ日本でなくてはいけないのです。松江では生産技術の蓄積を進めて応用を利かせ、地元の企業にも貢献していきたいというのが私の理念なんです」。
精密部品の製造・品質管理・搬出。ミスの許されない厳しい分野だが、その生産現場は人肌の温かさが伝わってくる。人材教育に力を注ぎ、頑張った人をタイムリーに評価するという経営姿勢は社員たちのやる気をひきだす。最先端エレクトロニクス市場を担うとてつもない超高速遅延線は、社員たちのハツラツとした笑顔と真摯な姿勢、そして高度な技術力から生まれている。

[曽田 康男(そた やすお)代表取締役(55歳)
昭和20年松江市生まれ。日本大学理工学部を卒業し、コイルの大手メーカー・東光株式会社に入社。秋田東光(株)、北上東光(株)代表取締役などを歴任後退社。昭和57年、エルメック株式会社の創設メンバーとして入社。一男一女の父親。趣味は山歩きと読書。松江エルメックは高卒の若手社員が製造ラインの主力。社員は元より保護者の方たちとも気さくに交流し、アットホームな職場環境を創っているのが曽田社長のポリシーだ。

トピックス社長の自宅がしまね景観賞の
奨励賞を受賞。
社屋の設計にも深く関わったように、代表取締役の学生時代の夢は建築設計士になることだった。昨年、美保関町千酌に完成した自宅も自ら設計。国立公園の中に溶け込むように建てられた地上2階地下1階の木造&鉄筋コンクリート造の住宅は、モダンな隠れ家風だ。窓ガラス越しに海を望む、プライベートビーチ付き。仕事の合間に収集したという電柱の廃材をリサイクルしていて、木の温かさに満ちている。地形・自然・景観に配慮した設計は、平成12年度・第8回「しまね景観賞」個人住宅部門の奨励賞に輝いた。また、休日には社員たちが泊りがけで遊びに来ることも多く、コミュニケーションの場としても定着しそうだ。
外谷製紙 株式会社
キラリカンパニーバックナンバー》
Vol.14 Vol.13 Vol.12 Vol.11 Vol.10 Vol.9 Vol.8 Vol.7 Vol.6 Vol.5 Vol.4 Vol.3 Vol.2 Vol.1 

BeanS topバックナンバーVol.4 》キラリカンパニー