キシ・エンジニアリング 株式会社
 
産業用ロボットから医療福祉機器まで独自のマシーンを作る
海士町いわがき生産組合
●設立/昭和60年11月 ●資本金/1000万円 ●従業員数/7名
●本社/島根県出雲市里方町893-5 TEL0853-23-6383 FAX0853-23-7367
[会社概要]◯産業用ロボット、省力機械、農業土木機械、医療福祉機器など、各種機械・設備の設計、製造 ◯新商品の開発 ◯監理、コンサルタント業務

呼吸訓練装置は世界唯一のメーカー
水平移動だけではなく座席が上下することにより、身体に障害のある人たちがより自立した生活ができる電動車いす。介助者を必要としていたベッドやトイレへの移動が一人でできたり、和室での家族だんらんや低い位置の作業も可能。座り心地が良く小回りも利き、レバー1本で簡単に操作できる。それが、キシ・エンジニアリング株式会社が開発した「リフティー」だ。平成11年9月の販売開始以来、利用者は全国に広がり、その機能性の高さから大きな反響を呼び続けている。
同社は、もともと農業機械の研究開発に携わるサラリーマンだった岸征男社長が、技術者としての実績を元に昭和60年に設立。独自の発想で、産業用ロボットや省力機械、医療福祉機器など幅広いジャンルで設計、製造を手掛けている。
医療福祉機器における最初の製品は、アメリカにある人間能力開発研究所の委託を受けて昭和63年に開発した呼吸訓練装置だ。現在、400台以上が日本各地で、また、アメリカ、ブラジル、東南アジア各国に輸出され、脳障害のある人たちに共通した問題である呼吸不良の改善に大きな効果をあげ、信頼を得ている。このマシーンに関しては、世界唯一のメーカーなのである。

「キシ」ならではのマシーンは“自立”と“省力化”が基本
今年中には、車いすのまま乗り込めてレバー1本で運転できる電気自動車を販売する予定だ。これは1年前から研究開発していたもので、乗降の際には車両の床が地面まで下がるため一人で安全に乗り降りができるという、車いす専用電気自動車。家庭のコンセントから充電でき、最高時速は20キロ。この車両専用の普通免許で運転できる。マスコミでも大きく取り上げられたため「介助者がいなくても、雨の日でも、一人で行動できる範囲が広がる」と、今から発売を待ち望む声が全国から届いている。
「車いすで生活する人は全国で約60万人。高齢化が進めば介助者もさらに不足しますが、障害者自身が一番自立を望んでいます」と、岸社長。自らの長女も脳障害を負い、また、障害のある多くの友人の本音の意見を聞いているからこそ、使用者が一番使い勝手の良い機器の開発に結びつくのだ。
開発する機器の基本は「自立と省力化」。現在、医療福祉機器の売り上げは全体の20%だが、今後は50%以上に押し上げ企業のベースにすることを目標と定めている。
自立を目指した福祉機器を研究し、特徴あるマシーンを生み出してきた機械屋魂に、今、さらに磨きがかかっている。

[岸 征男(きし ゆきお)代表取締役(57歳)
昭和18年出雲市生まれ。昭和42年同志社大学機械工学科卒業後、三菱農機株式会社に入社。生後7ヶ月で脳障害を負った長女のリハビリのため、昭和57年退職。会社役員を経て、昭和60年キシ・エンジニアリング株式会社を設立。一男二女の父親。一番の趣味は「見るのも作るのも好きな飛行機」。また、ホームパーティーで奥様とともに料理に腕を振るうなど、多趣味多才の持ち主だ。

トピックスマスコミでも紹介された
岸社長の趣味は「飛行機」
会議室兼応接室に飾られた3機の模型飛行機。木材、ハガキ、アルミ缶など素材選びもユニークで仕上がりも精巧だ。中学時代の作品も混じるという岸社長のオリジナル。ハイテク機械の象徴のような存在に憧れ、子どものころから作り始めて数百機。「飛行機の話を始めると長くなりますよ」と、いたずらっぽく笑う。独自の発想で生み出すマシーンの原点が、この小さな手作り飛行機に隠されている。
海士町いわがき生産組合
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