海士町いわがき生産組合
 
隠岐の海から美味な逸品を全国へ発信
キシ・エンジニアリング 株式会社
●創業/平成13年 ●資本金/1200万円 ●組合員/3名
●住所/島根県隠岐郡海士町保々見 TEL 08514-2-1700 FAX 08514-2-1700
[組合概要]○イワガキの養殖販売

美しい隠岐の海が育てる深い味わいの養殖イワガキ
隠岐諸島の南部、西ノ島、中ノ島、知夫里島の3島からなる隠岐・島前。その中の一つ、中ノ島と呼ばれる島が海士町だ。この青く澄みきった海に囲まれた島の東側にある保々見湾でいわがきを養殖し、全国へ販売する海士町いわがき生産組合。
「まずは、ここのイワガキを味わってみてください」という、鈴木さんの言葉に従って、透明度が10メートル以上もある海中から引き上げられたばかりのイワガキを口にする。鮮やかな潮の香りとともに現れた中身は、とても一口では収まりきらないほどの大きさ。ツヤツヤと太ったクリーム色の身を頬張ると、甘味とトロ味が複雑に絡み合うミルク質が口いっぱいに広がる。濃厚な深みを持ちながらサラリとした味わいが、食べ終わった後も口中に残り食べる者を喜ばせてくれる。
「寒流と暖流が混じり合う適度な流れや、イワガキの生育に適した塩分濃度など、ここの海はイワガキの養殖に最適なんです。きれいな海であることはもちろんですが」。そう話す鈴木さんが、仲間の漁師2人とイワガキの養殖に取り組もうと考えたのは平成9年。夏場だけの集客に頼るダイビングショップ、季節によって収入の差が大きい漁業。互いに多面的な経営によって、年間を通じて安定した収入が得られる方法を模索していた時だった。

養殖イワガキの利点を活かして初年度から東京市場へ進出
組合を始めたきっかけは、平成4年から全国に先駆けてイワガキの養殖に取り組んでいた島根県が、隣の西ノ島にイワガキの採苗センターを稼働させたこと。そして、ダイビングショップ経営のノウハウを活かした鈴木さんのリサーチで、東京市場での天然イワガキの取扱量が飛躍的に伸び、価格も高値で推移していることが分かったからだった。ビジネスとしてやっていけると判断した3人は、平成10年から養殖を開始した。
そして今年、本格的な出荷を始めるにあたって生産組合を設立。初年度出荷予定の5万個はすでに予約で完売状態になっているが、販売先の多くは東京の高級料亭や料理店。昨年の試験的な出荷で高い評価を得た鈴木さんたちが、本格出荷へ向けての目標を「ブランド化」に設定し、自らの足で何十件もの店を訪ねて産地としての信頼関係を結んだ成果なのだ。「千葉県あたりの天然物が東京に集まっていることは知っていましたが、あえてそこで勝負しないとブランドとして認知されないと思ったんです」と語る鈴木さん。自信の裏付けは「天然物よりグルタミン酸を豊富に含んだ大きな身が確実に入っていること、産卵前の一番美味しい時期に安定した出荷が出来ること」という、養殖イワガキの利点だった。
さらに、海中のプランクトンを食べるので餌を与える必要がなく、成長も早い養殖イワガキは、生産者にとっても利点が多い。「自分たちだけでなく多くの人と一緒になって、町全体で産地として全国へ発信していきたい」という鈴木さんの言葉通り、養殖イワガキに取り組む人は少しずつ増え始めている。来年の出荷予定は10万個だが、平成15年の計画数30万個をクリアーして、海士町のイワガキが全国へ名を広める日も遠くないようだ。

[鈴木 和弘(すずき かずひろ)組合員(41歳)
昭和36年福島県生まれ。仙台電波工業高等専門学校を卒業後、富士フイルムに入社。神奈川県で医療機器のシステム開発に携わる。趣味のスキューバダイビングに熱中し、平成5年海士町に県内初の本格的なダイビングショップ「海士ダイビングサービス」をオープン。同町にIターンして8年目。

トピックス隠岐の海に惚れ込んで
ダイビングショップをオープン
海外や沖縄の海をリサーチした上で、海士町でショップを開くことを決めた鈴木さん。透明度の高さ、魚種の多さ、他では滅多に見られない大きな個体が見られる、という隠岐の海が気に入ったのがその理由。現在、養殖イワガキを島内に広めようとしているのは、海のみならず島に住む人々にも惚れ込んだからに他ならない。
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