堀江化工 株式会社
 
独自の研究開発から生まれた調合釉薬
株式会社しちだ・教育研究所
●創業/昭和16年 ●資本金/2000万円 ●従業員数/33名
●本社/島根県江津市浅利町150 TEL0855-55-1230 FAX0855-55-1232
[会社概要]○電弧溶接棒塗装薬品、化粧品原料、窯業用調合釉薬の製造販売 ○セリサイト、長石、珪石などの採掘・精製

全国第2位の生産量を誇る石州瓦製造の一翼を担う
島根県西部の石見地方は、古くから陶器瓦の生産が盛んなところ。粘り強く高温焼成に耐える良質な土に恵まれているのが、その理由だ。土と水、そして1250℃〜1300℃の炎と人間の英知から造りだされる石州瓦は、石見地方の25社のメーカーで、年間約2億枚が生産されている。陶器瓦部門では愛知県に次いで全国第2位の実績。耐久・防災性に優れるだけでなく、純和風・洋風住宅に調和する豊富な色彩とデザインで定評があり、いわば“古くて新しい”島根を代表する伝統産業なのだ。
その瓦製造も、時代とともに大きな変遷を遂げている。以前は、宍道町の来待石を釉薬にし、1300℃の登り窯で焼成すると独特の深みを持つ“赤瓦”ができた。しかし、大量生産と低コスト・低エネルギー化を実現するトンネル炉が導入されると、焼成温度は1200℃強となる。そのため、瓦業界は新たな技術革新を迫られた。
“低温で焼成しても高品質を維持できる釉薬を開発したい…“。こんなメーカーのニーズに応えたのが、江津市の堀江化工株式会社だ。古くから、セリサイト(絹雲母)など天然鉱物の採掘・精製を手がけていた実績から、電弧溶接棒の原料・長石に着目。独自の研究開発で、益田市の鉱山から採掘された長石を原料に新しい釉薬を開発。時代が変わっても受け継がれる石州瓦の高品質を保ちながら、豊かな色彩をあわせ持つ瓦製造を実現したのだ。

キーワードは地域への貢献
昭和16年の創業当時はサツマイモの澱粉製造を手がけていたという。しかし、昭和30年からはその澱粉精製設備を生かし、天然鉱物の採掘・精製に着手している。
代表的なセリサイト(絹雲母)は、数10mの地下から採掘される純白でやわらかな鱗片状の鉱物で、化粧品・ペイント・接着剤等の原料となる。そのクォリティーの高さは国内の大手化粧品会社や、欧米のメーカーに供給されている事実で保証済みだ。「セリサイトは天然の資源で大量には採掘できません。需要に応えるために、国内だけでなく韓国・マレーシア・中国・台湾からも鉱石を輸入しています。もちろん、鉱山の開拓というゼロからのスタート。文化や国民性の違う国とのビジネスだから困難な問題も時には起こるけれど、常に前進しないとね」と、堀江社長は意欲をみせる。
海外にもフィールドを広げる堀江化工だが、企業という船の舵を取る社長の原動力は“ふるさと・石見“への思い。「セリサイトの採掘・精製から瓦の釉薬開発へ踏み出したのも、日本有数の鉱物資源にめぐまれた島根ならでは」と、語る。
セリサイト・長石、と天然鉱物を通じて地域の産業振興に貢献する堀江化工。近年では西日本で唯一産出される天然のゼオライトの高純度化にも県と共同で取り組み、21世紀の新しい産業を創り出そうとしている。

[堀江 直(ほりえ ただし)代表取締役社長(51歳)
昭和24年江津市生まれ。昭和47年専修大学経済学部卒業。同年堀江化工株式会社に入社。国立名古屋工業試験場にて窯業用釉薬の研修を経て、堀江化工の釉薬部門を担当。平成7年から同社の代表取締役社長に就任。地域活動にも活発に取り組み、平成8年から業務のかたわら、江津市消防団浅利団分団長も兼ねる。趣味はゴルフ、アウトドアスポーツ。

トピックス神戸税関から
感謝状
平成12年11月28日。堀江加工は、神戸税関長から、長年の活発な事業活動による税関行政への多大な貢献をたたえられ、感謝状を授与された。中国・韓国をはじめとするアジア諸国での鉱石採掘、そして原料として精製したセリサイトを欧米に輸出など、グロ―バルな事業展開が高く評価された証しだ。
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